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物流業界ニュース

拡大する「グリーン物流パートナーシップ事業」

CO2削減をねらいに荷主と物流事業者が協働し物流改善
「モデル事業」「普及事業」に加え「ソフト支援事業」も補助対象に

“物流効率化によるCO2削減を”と3年前にスタートした「グリーン物流パートナーシップ会議」が年々拡充され、評判を呼んでいる。このところ、物流政策でその蜜月ぶりが話題になっているように経済産業省と国土交通省が連携して発足しただけに会員も物流事業者のほか、荷主企業が数多く登録されている。荷主サイドと物流事業者サイドがお互いにパートナーシップのもとで物流効率化を推進しようというものだ。年2回開かれている会議には毎回、荷主や物流事業者が殺到し、参加者募集を開始して数日後には定員いっぱいになるなど関心の高さを見せている。

その大きな要因になっているのが、環境問題の顕在化による企業の社会的責任としてのCO2削減への取り組みが強く求められるようになったことだが、それを背景に行政サイドでは補助金交付による物流効率化事業支援に乗り出したことが大きいようだ。

●CO2の減少に転じた物流・運輸部門だが更なる対策を求められ…

京都議定書の発効でわが国ではCO2など温暖化ガスの「90年比6%削減」が国際公約となっているが、環境省がこのほど明らかにした05年度の排出量は「マイナス6%」どころか「プラス8.1%」。これまで以上にCO2減らしが迫られ、あと何年か後に迫った約束期間(2008〜2012年)までに14.1%減らさなくてはならない。このうち、5.4%は吸収源対策や京都メカニズムで確保するが、残りの8.7%はこれまで以上の対策で排出削減を図るしかないという数字が示されている。

こうした中、わが国全体のCO2排出の約2割を占める運輸部門だが、2001年以降は排出量の減少傾向を示している。これは運輸部門でCO2排出の9割を占める自動車からの排出が減り始めたことによるものだが、特に車両数の増加でCO2も増え続けてきた自家用乗用車からの排出が減少に転じたことが大きいとされている。ちなみに、貨物自動車による排出量は96年をピークにいち早く減少に転じ、物流分野はCO2排出改善の優等生といわれてきた。しかし、全体のCO2削減には更なる対策が求められている。

●グリーン物流パートナーシップ会議とは

こうした中で3年前に発足したのが、「グリーン物流パートナーシップ会議」による物流分野のCO2削減運動だ。物流大綱策定の頃から連携施策が目立ってきた経産省と国交省の両省が音頭をとる形で、JILS、物流連、経産省、国交省が共催し日本経団連が協力して発足した。関係省庁の連携による積極的な支援のもとで、荷主と物流事業者のパートナーシップのもとで環境負荷の軽減に直結する物流効率化事業を促進しようというものだ。

同会議は、「グリーン物流」の推進を国民運動として盛り上げようと、グリーン物流に関心を持つ人なら誰でも無料で会員登録できる制度も05年2月からはじめた。昨年12月現在の会員数は、物流連やJILSの会員を中心に荷主企業777社、物流事業者1374社のほか、物流関連団体や経済団体、行政機関、学界、個人会員などを含めると2628に達した。

その活動は、年2回程度の全体会議のほか、JILSと物流連が事務局になって、事業調整・評価ワーキンググループ(WG)、CO2排出量算定WG、広報企画WGで、それぞれ物流効率化プロジェクトの評価、多様な取り組みに応じたCO2算定方法の策定と標準化、優良事例の選定・PRや普及拡大に向けた広報を展開している。これまでに補助金対象となるプロジェクト推進事業の決定を行ってきた。また、昨年からは国土交通大臣による表彰制度もつくった。また、各地の運輸局や経済産業局が共同してブロックごとのグリーン物流パートナーシップ会議も開かれている。

●国費で物流効率化事業を支援

その中で、物流事業者や荷主企業の関心を集めているのが国費を投入したプロジェクト事業への支援。昨年12月に経団連ホールで開かれたグリーン物流パートナーシップ会議で行政サイドは、07年度予算案に盛り込まれているグリーン物流に関する支援メニューを示し、企業の積極的な参加を促した。

これによると、補助金対象事業として、(1)荷主と物流事業者が連携した先進性のある取り組みを支援する「モデル事業」への補助、(2)モデル事業などの先例をもとに取り組みの裾野拡大を目指し支援する「普及事業」――の前年度からの継続事業に加え、07年度には新たに、(3)物流のボトルネックの抽出や解決方法の検討などを行うプロジェクトの創生を支援する「ソフト支援事業」を加えた。

「モデル事業」は、国費(経済産業省予算)による支援。事業費の半額が1事業当たり1億円を上限に補助金として交付されるもので、07年度予算案で5億5000万円の補助金が計上されている(06年度予算は9億8000万円)。また、「普及事業」は、NEDOのエネルギー使用合理化事業者支援事業の補助制度を活用して06年度から物流部門にも対象が拡大されたもので約30億円程度が準備され、事業費の3分の1が補助金(1事業当たり上限は原則として5億円)として交付される。さらに、07年度から創設されることになった「ソフト支援事業」は、省エネルギーセンターの省エネルギー対策導入促進事業に対する補助対象として物流部門を追加したもので物流関係の予算は約3100万円が予定されている。1事業当たり最高1000万円を限度に全額補助される。

●モーダルシフト、共同配送、車両大型化、新たな効率化策は…

06年度の補助金交付先は別表(巻末に掲載)の通りだが、その主流を占めるのが、鉄道や海上輸送へのモーダルシフト、拠点集約による配送の効率化、複数企業の共同配送など物流の共同化、車両の大型化といったものが多い。そのなかでも、CO2削減効果の大きいトラック輸送から貨物鉄道への輸送手段の転換などモーダルシフトが目立っている。経産省と国交省は2月5日から07年度のグリーン物流パートナーシップ推進事業の募集をはじめた(募集期間は4月6日まで)。07年度グリーン物流の補助事業でも期待感が高まる一方の貨物鉄道へのモーダルシフトプロジェクトが主役を務めるか…。

カーゴニュース2月27日号

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