物流業界ニュース
「開発許可」基準の緩和が拡大、検討中を含め30都道府県に
物流総合効率化法の計画認定が70件を突破
物流効率化の推進によるCO2削減を目的に05年10月に施行された「総合物流効率化法」に基づく「総合効率化計画」の認定申請が続いている。国土交通省が集計した8月末現在の効率化計画認定件数は71件。物流大綱などで示した「5年間で110件の認定を目指す」とした目標に対し2年足らずでその6割以上を達成したことになる。
CO2削減対策として、省エネ法改正による物流部門への規制強化(省エネ計画などの報告義務)が今年から本格始動したが、その一方で、これとほぼ同時期にスタートした優遇措置を盛り込んだ物流効率化策がこの物流総合効率法による優遇措置。分散している物流施設を新設する大規模で多様な機能を持つ物流センターに集約して交錯輸送の解消など“省物流”を促進しようというものだ。
その決め手とされるのが都市計画法に基づく地方自治体の開発許可。市街化調整区域ではこれまで長い間、特積みトラック事業者の施設を除き原則として認められなかったが、同法では「市街化調整区域における物流施設整備のための開発許可に配慮する」と大きく前進、国土交通省では東京、埼玉、千葉各県へは直接出向いて説明するなど地方自治体への働きかけを強化、これに対応して自治体でも「開発審査会基準」への反映を行うケースが増えてきたようだ。効率化計画の認定状況をみてみた。
●物流総合効率化法とは…
物流総合効率化法は、わが国の国際競争力の強化と環境負荷の低減を主な目的に、高速道路のIC、港湾、空港の周辺に多機能な物流機能を集約した拠点施設を整備して交錯輸送の改善などにより物流効率化を促進しようというもの。同法の基本計画に基づき物流事業者や荷主が総合効率化計画を策定しそれが認定されると数々の支援措置が受けられる。
具体的には、例えば、物流関連事業(倉庫業、貨物自動車運送業、貨物利用運送事業)の資格が一括して取得できる、物流拠点施設に対する税制特例(倉庫税制による法人税、固定資産税などの優遇措置)が受けられるほか、市街化調整区域における物流施設整備に当たって自治体による開発許可に配慮され市街化調整区域内への物流施設設置の可能性が高まった。また、中小公庫による政策的低利融資も受けられるなどメリットがある。
●新法施行から2年弱、計画認定は目標を上回る勢い
新法は05年10月に施行され、その直後から効率化計画の認定申請が相次いだ。国交省がまとめた今年8月末までの認定件数は71件、9月に入っても数件の認定待ち事案があるとされ、2年間で物流大綱が掲げている「5年で110件の認定」という目標の7割近くに達しそうな勢い。
8月末現在の計画認定71件のうち、税制特例を受けたのが56件、中小事業者の計画(中小事業者単独または中小事業者同士の連携計画)が36件、自治体の開発許可(市街化調整区域)を受けたケースが12件含まれている。開発許可事案を府県・政令指定都市別にみると、青森県、埼玉県、長野県、奈良県、愛媛県、福岡県各1件、愛知県2件、福岡市4件となっている。
●決め手は自治体の開発許可基準への反映
国土交通省が、自治体(47都道府県と15の政令指定都市)の「開発許可審査会基準」に物流総合効率化法を反映しているかどうかを調べたところ、3月末現在で「反映済み」または「反映予定」とする自治体が17都道府県・2政令指定都市にまで拡大した。また、「反映を検討中」「検討予定」が13都府県・5政令指定都市となっている。
その後、07年度に入って、開発審査会基準を改正・施行したのが、札幌市(07年4月施行)、神奈川県(7月)、さいたま市(9月)の3自治体。いずれも3月時点では「検討中」としていた自治体である。
カーゴニュース9月25日号