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今号の焦点 最低車両「5台」割れ事業者をどうする?国交省が対策強化

運行管理者選任逃れの悪質な減車は行政処分、「5台」の見直しも

新規参入が続くトラック業界だが、その一方で、参入許可の最低条件である保有車両「5台」で事業許可を受けながら、事業開始まもなく1台、2台と減車しトラック事業者としての最低保有車両の基準である「5台」を割り込む事業者が増えているといわれている。トラック事業法では保有車両5台以上の営業所には運行管理者の選任も義務づけているが、5台未満の営業所には運行管理者を置く義務はない≠ニばかりに、法の盲点をつく格好で保有車両5台、運行管理者の選任≠ニいうトラック事業者としての最低基準を満たさない事業者も横行する状況になっている。

このため、国土交通省は3月に公正取引委員会との連名で策定した「緊急措置」(軽油価格高騰に対処するためのトラック運送業に対する緊急措置)でも燃料サーチャージ制の導入などとともに、「正直者が損をしない」健全な競争環境を整備する必要がある」と指摘し、社会保険などへの未加入への行政処分の強化と合わせ「5台割れ」事業者を厳しくチェックすることにした。

●「5台割れ」事業者が3700社も

国交省の集計によると、現在のトラック事業者数は約6万3000社。トラック事業法施行時(90年12月)の約4万社から5割以上も増加した。そして、6万3000社のうち、保有車両10台以下の事業者が55%を占めるなど中小・零細企業がひしめく業界体質となっている。規制緩和によって新規参入が急増した結果だが、新規参入の多くが最低車両の5台で事業許可を受けるケースが目立つという。しかし、許可取得後に、経営環境の変化などから「減車」を届出する事業者もあり、届出を処理する運輸局では「5台割れとなることがあっても減車届出を拒否することは難しい」という。この結果、「5台割れ」業者は全国で約3700社にも達するとされている。

●悪質な「5台割れ」減車に処分強化へ

5台割れへの減車は一時的なものと思われていたが、その後、運行管理者の義務付け逃れなど悪質な減車の事例もあるという。現行制度では、最低車両5台を前提に運行管理者の選任が義務づけられているが、減車で5台未満になれば運行管理者を置く義務もなくなるはず≠ニいう理屈で減車するところも目に付くようになったという。

このため、国交省では「緊急措置」を受ける形で最低車両台数に満たない減車については行政処分を厳格化するとともに、減車届出に当たっての事前チェックの体制づくり、運行管理者の義務付けなど処分基準の改正も考えられている。

●「5台」が適正かどうかの検証も

「緊急措置」では、5台割れ減車に対するトラック事業法上の行政処分の強化を指摘するとともに、「最低車両台数の適正規模について検証を行う」ことも指摘している。

「5台」は、トラック事業法の制定による規制緩和時に、参入規制の緩和に合わせて、事業者としての最低基準として設定されたもの。参入を容易にするには2台や3台など極力制約は無くすべきという経済界と、いわゆる生業%Iな事業者や悪質事業者などの排除による健全な業界を確立するためには最低10台程度は必要とする業界との間で論争され、「5台」に落ち着いた経緯がある。これを見直そうというものでその成り行きも注目されている。

これについて、国交省の本田勝自動車交通局長は「トラック運送業は規制緩和によって事業者数が増加し競争が激しくなったが、需要が減れば全体の車両数も減るなど市場メカニズムが機能している。最低車両台数の適正規模の検証については、近く全ト協で検討の場を設けることになっているが、トラック運送の市場メカニズムの中で、まず、5台という最低台数でどんな問題があるのかを検証し、見直しとなれば、何台が適正かを詰めていく必要がある」と検討はこれからという。また「最低車両台数の見直し議論と平行して、例えば、協同組合方式の活用などによる小規模事業者の連携、共同化のあり方について方法はないかと考えている」と事業規模の拡大による地位の向上対策にも取り組む姿勢を示している。

燃油高騰をきっかけに、このところトラック業界の課題が浮き彫りにされているが、参入基準の「5台」はどうなるか…。

カーゴニュース7月29日号

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