物流業界ニュース
「5両割れへの減車は暫定的なもの。恒常的な事業者は問題だ」
国交省、トラックの「5台割れ事業者」対策を本格化へ
トラック運送事業への参入に当たっての最低車両台数は「5両」と規定されているが、参入後に5両未満に減車する事業者が増えている問題で国土交通省の本田勝自動車交通局長は2月下旬の記者会見で「各運輸局で5両未満事業者を個別に呼んで改善指導などを行っているが、思うような効果が上がっていない。今後、ギアを上げて重点的な監査を行うなど5両割れ事業者の解消に向けた対策を講じたい」と5両割れ事業者対策に本格的に乗り出す方針を明らかにした。
●「緊急措置」で具体化を指摘してから1年たったが…
国交省が公正取引委員会との連名で昨年3月に策定した「燃料価格高騰に対処するためのトラック運送業に対する緊急措置」で正直者が損をしない′酎Sな競争環境を整備する対策のひとつとして「社会保険等の未加入業者対策」のほか、「保有車両が5両に満たない減車等についてトラック運送事業法上の処分を強化するとともに、最低車両台数の適正規模の検証を行う」と盛り込まれている。しかし、緊急措置が策定されてから1年、これまでに5両割れという理由での行政処分はなく、5両未満の事業者が数多く存在すると指摘されてきた。
●『5台割れ事業者』は全国に約4000社?
トラック事業者は現在全国合計で約6万3000社。このうち、5両割れ事業者≠ヘどの程度存在するのか。
国土交通省は「事業法では5両以上となっており、それ未満の事業者の正確な数は把握していないが、数多くの5両割れ事業者が存在すると指摘されている」という。全国集計はないが関東運輸局が先に調査した結果では、関東ブロックのトラック事業者約1万9900社の6.5%に当たる1292社(07年7月現在)が5両未満≠ニいう数字もある。関東には全国のトラック事業者の3割強が集中しており、仮に関東ト同じレベルで5両割れが存在すれば全国では約4000社近くになる。
本田局長も「本来、5両割れは、やむを得ない場合、暫定的に減車申請を認めるもので、それが、恒常的になるようであれば問題。このため、各運輸局では5両未満の事業者を個別に呼び出して改善指導を行っているが、効果は十分ではない」と重点監査など対策の強化を打ち出している。5両割れはトラック事業法上の規定外であるため、運行管理者の義務づけもない。このため、行政処分の対象にする。運行管理者の義務づけなども考えられているが今のところ具体策はない。
今後、最低車両台数に満たない減車などに対して、行政処分の対象とする、運行管理者の選任義務づけなども考えられそうだが、最低車両5台以上」とする事業法上の位置づけはどうなるのか注目される。
●「最低車両5台」の見直しは…
緊急措置では、行政処分の強化とともに、最低車両台数の適正規模の検証についても指摘しているが、これについて本田局長は「5両を変える考えはない」と否定、現行の「5台」を前提に5両割れ事業者対策を行って行くことを示唆している。
カーゴニュース3月5日号