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海コン陸上安全輸送確保法案への「罰則規定は当面見送るべき」
経団連 国交省が今国会提出めざす新法案に向け「提言」
日本経団連は16日、「国際海上コンテナの安全輸送と物流円滑化に向けて」と題する提言をまとめた。国土交通省が今通常国会への提出を目指して検討中の国際海上コンテナの陸上輸送安全確保法案に対する経済界の意見を集約した。
これによると、「安全確保の新たな制度の整備で留意すべきは競争力協ンとの両立。今後採るべきは事故原因を徹底究明し、真に安全性の向上に寄与する効果的な対策を講じること」などを指摘した上で、「コンテナ情報の提供と事故減少との間に合理的な因果関係が認められない状況で法案骨子に罰則規定を設けたことが、今、最も求められている関係事業者間での相互理解の増進や協力体制の強化を阻害することにつながっている」として「当面、罰則規定の導入は見送るべきである」と主張している。
◆経団連としての取組み
まず、経団連として、「関係企業・従業員が業種横断的に一丸となってサプライチェーンを支えていることを再確認し、関係者が他の事業者に責任転嫁することなく自らの責任と役割を最大限に果たし、コンテナ輸送の安全確保を協力して行えるような体制作りを目指す」、「運転者が結果的に無理な運転をせざるを得なくなるという事例があることも勘案し、法令を遵守して安全に輸送業務が行える環境を整えるのが急務。輸送を依頼する事業者を含むすべての関係者の安全対策に対する意識改革を早急に進め、対応可能なものから取り組むことについて合意を形成する」、「その一環として03年10月に会員の荷主企業を対象に策定した『安全運送に関する荷主としての行動指針』をさらに徹底していく」と民間事業者としての取り組み姿勢を記述している。
◆当面の安全対策強化に向けた提案
その上で、「当面の安全対策強化に向けた提案」として、(1)コンテナ輸送の特性から通常の法定速度に加え、コンテナの安全輸送を保証する速度制限を導入することは事故防止に向けたひとつの解決法。またコンテナヤードを出る際に安全ロックの確認を行う手順を導入することも有効。加えて、すべての運転者に十分な教育を徹底することが求められる。
(2)コンテナの過積載や偏荷重を発見するための方策として、疑義のあるコンテナを、他のコンテナの円滑な輸送を阻害することなく重量を計測できるよう、しかるべき場所に計測器を設置することで安全を確保する体制を構築すべきである。政府はこのための必要な予算措置を講ずるべき。
(3)輸入コンテナは、国内の事業者にのみ責任を負わせる制度では安全の確保につながらない。政府は諸外国に対し国際的ルールの策定等に向けた働きかけを行うべき。
(4)最新の技術で安全を確保する方策について研究・実証実験を重ねるべき―と指摘している。
◆法案骨子に対する考え方
さらに、「法案骨子に対する考え方」として、次の3点を指摘している。
「コンテナ情報の伝達義務化とそれに伴う罰則規定の導入措置と安全確保との間に合理的な因果関係が認められない。物流全体を考慮した安全確保措置を講ずべき」。
「積み付け状況の伝達を義務化した場合、すべての輸入コンテナを日本到着後にコンテナヤードで開封して荷姿等を確認することにつながるため、国際物流の大混乱を招く。また、日本だけがコンテナヤードで開封確認を行うことになれば、わが国港湾の国際競争力強化を目指す政策の遂行に重大な阻害要因となる。加えて、安全に積み付けられているコンテナやコンプライアンスが優良な荷主のコンテナも対応が求められ、効果が不明な対策に膨大なコストをかけることになる」。
「情報提供と事故減少との間に合理的な因果関係が認められない状況で法案骨子に罰則規定を設けたことが、今、最も求められている関係事業者間の相互理解の増進や協力体制の強化を阻害することにつながっている。当面、罰則規定の導入は見送るべきだ」―と、罰則規定は関係者間の責任転嫁につながるとの危惧を主張している。
カーゴニュース2月23日号