物流業界ニュース
郵政改革法案の政府素案に「貨物法制の適用緩和」の一文
「トラック5台規制」のこと? 内容によっては議論を呼ぶ可能性も
政府は今月8日、郵政改革法案の素案を公表したが、その中で郵便事業について「貨物法制の適用緩和」の一文が盛り込まれたことが注目されている。
郵便事業は民営化時に国土交通省が所管する貨物法制(貨物自動車運送事業法、貨物利用運送事業法)の適用を受けるようになり、信書については郵便法に加え、貨物法制が二重適用≠ウれている(小包は民営化時に郵便の対象から外れ、貨物事業として運営)。これに伴い、郵便事業会社(日本郵便)は国交省が管轄する事業者として、各事業法に則った事業運営が求められるようになり、同社も全日本トラック協会や日本物流団体連合会といった業界団体に加盟するなど、物流事業者としての活動にも力を入れてきた。
今回の郵政改革は小泉政権が進めた民営化路線からの転換を図るものだが、素案では「貨物法制の適用緩和等、現状において日本郵政グループが不合理に不利益を被っている点は是正する」としている。ここで言う「適用緩和」が何を示すのか現時点では明らかになっていないが、内容によっては今後、イコールフッティング確保の面で民間事業者から不満の声が上がることも考えられそうだ。
●現在の5社体制を3社に、3月中にも法案を閣議決定
政府がまとめた郵政改革の素案では、持株会社と事業会社4社の5社体制となっている現在の日本郵政グループを親会社(持株、郵便局、郵便)と銀行会社、保険会社の3社体制に再編することが柱。また、「公益性、地域制を重視した改革を行う」として、従来は郵便のみに課されていたユニバーサルサービス義務の対象を金融にも広げている。
政府による親会社に対する出資比率については、(1)敵対的買収等への対抗措置を取り得ること(2)政府の意思が経営に及ぶこと――の2点に留意するとして、具体的な比率については100%、3分の2超、2分の1超、3分の1超など複数案を提示するにとどまった。
政府は今後、与党間協議などを経て3月中に政府案を閣議決定し、今通常国会に提出する予定。
●「不合理で不利益な貨物法制の適用」とは?
素案に盛り込まれた「不合理で不利益な貨物法制の適用」の具体的な内容は明らかになっていないものの、考えられるのは貨物運送事業法の許可基準に定められている「5台規制」の問題。同法では営業所ごとにトラック5台の保有を事業を許可するための基準として義務づけているが、この規制のために集配業務が非効率になっているという声が特定郵便局などからあがっているという。
民営化以前は、特定局長が自家用車などで顧客の郵便物を集荷するケースが多かったが、民営化により貨物法制の適用を受けることになったことで、営業ナンバーを取得して5台以上車を揃えていない限り集荷ができなくなった。それにより、顧客へのサービスが低下しているというのがその趣旨。このため、自家用車による集荷や5台規制の引き下げを限定的に求めることが考えられそう。
●都市計画法の緩和や駐停車にも言及
素案ではこのほか、「不合理に不利益を被っている点」として、「集配施設設置に対する都市計画法の規制緩和」や「駐停車等」などを挙げている。
駐停車の取り締まりについては、これまで取り締まりの対象外とされていた郵便車両のうち小包集配車は民営化を機に取り締まりの対象に加えられている。仮にこの適用緩和を求めているとすると、民間宅配業者などから反対の声が高まりそうだ。
カーゴニュース2月18日号