物流業界ニュース
中断していた「トラック産業ビジョン検討会」が2日に発足
3段階方式の検討を簡素化、荷主も参加して6月までに報告書
政権交代もあって、昨年5月にスタートしたものの、中断していた「トラック産業ビジョン検討会」の会合が2日、有識者、荷主の代表なども加わって開かれる。
トラック産業ビジョンづくりは、昨年から3段階方式による検討が始まった。その第一段目となる全日本トラック協会(中西英一郎会長)を中心としトラック産業の基礎データの収集・分析はほぼ終わったといわれているが、第2段階の勉強会を開始する前に政権交代が行われ、第3段階の調査会とともに宙に浮いていた。その後、鳩山内閣は2010年度概算要求も全面見直しによる再提出を各省庁に指示。これを受けて国交省は8月の概算要求時点では新規の主要項目として調査費1800万円を要求していたものを410万円に圧縮、委託調査をやめ国交省が自ら行うことを決め、今回の初会合となった。
こうした紆余曲折は有ったものの、今の時点でトラックの将来ビジョンを改めて検討する意味は大きい、と言われている。
●11年連続の国内貨物量の減少の中で問題が顕在化
これまでは右肩上がりを続けてきた日本経済の中で、トラック運輸産業は14兆円を超えるまでに市場規模が拡大してきた。
しかし、人口が減少に転じ、生産拠点の海外流出が止まらない中で、国内貨物輸送量は11年連続の減少を続けており、10年度も2年連続で50億トン割れとなることが予想されている(日通総研調べ)。この貨物量は40年前の水準であり、当時のGDPは現在の5分の1近い110兆円程度だった。 こうした中で、トラック事業者数は規制緩和の始まった1990年の物流2法以降、増加を続け、20年間でほぼ1.5倍の6万3000社となっている。しかし、そのほとんどは中小事業者。しかも、激しい競争が続く中で構造改革も進んでいない。
一方で、ドライバーの高齢化と、特に大型ドライバーの不足は顕在化しており、このまま運賃の低迷、労働条件の悪化という負のスパイラルが続けばドライバーの待遇改善は一向に進まず、労働力の参入が滞り、基礎的な輸送力にも影響するのではないかという見方もある。
こうした原因は荷主〜元請け〜下請け間での不適正な取引形態と下請け事業者を中心にした過当競争下での不健全な競争といわれている。
●荷主の代表も議論に加わって…
検討会では大手荷主も加わり、6月頃までには報告書がまとめられそうだ。どんな産業ビジョンが示されるのか、これまでの経緯もあるだけに注目を集めそうだが、今回は荷主の代表もメンバーに入る予定。
一昨年の前半は燃料油の高騰が大きな問題となり、その過程でトラックの「産業としての脆弱」な部分が浮き彫りになった、といわれている。
それはコストを運賃に転嫁できないこと。
もちろん、その背景には業界固有の問題もあるが、荷動きが回復しない中で、6万3000社がどうやって生き残っていくかという問題は切実になってきている。
メーカーなど荷主も物流のあり方も変化しており、将来に向けた産業としてのビジョンを考えなければならない時期に来ているようだ。
カーゴニュース3月2日号