物流業界ニュース
「日中韓物流大臣会合での共同声明を受け施策の拡充を」
「モーダルシフトは輸送能力を最大限活用、インセンティブ検討も」
国交省の染矢政策統括官が当面の物流対策語る
国土交通省の染矢隆一政策統括官(物流部門担当)は6月28日、物流専門紙と懇談会を開き、5月に中国・西都市で開かれた「日中韓物流大臣会合」で採択された共同声明に基づく具体的取り組み、国交省・経産省連携の「モーダルシフト等推進官民協議会」の取り組み状況、交通基本法制定に向けた物流の取扱い、「国交省政策集2010」に掲げた物流政策など物流施策の実施状況について語った。
《日中韓物流大臣会合について》
「5月に中国の西都市で行われた第3回日中韓物流大臣会合では先の会合で合意された12項目にわたる行動計画の進捗状況や今後の取り組みについて意見交換し、共同声明が採択された。ただ、当初、同時開催が計画されていた日中韓物流フォーラムは延期され10月または11月に中国が主催し杭州で行うことになった。また、次回の大臣会合は韓国開催が決まった。
共同声明で指摘されたシームレスな物流システムの構築については、物流投資ガイドブックの作成とあるが、これは、日中韓3国と近隣諸国間の海陸一貫輸送についてのパイロットプロジェクト実施の可能性について検討するワーキンググループを設置することで合意したというものだ。次回の大臣会合までに問題点が明らかになってくると思う。
一貫パレ用パレットサイズの標準化については、韓国が1000×1200を国家規格化したが、3国間で流通しているパレットの99%が使い捨ての状況だ。今後、パレット協会等と協力して資源面などから、何とか、リターナブル化ができないかと思っている。
また、コンテナサイズの標準化についても、わが国では12フィートコンテナが主力だが、中国、韓国では20フィート、40フィートコンテナが標準サイズだ。だから、わが国が12フィートは利便性が高いので標準化をと提案しても中韓は乗りにくいということだ」
《安全・効率的な国際物流施策推進協議会について》
「AEO制度があるが、国内ではフォワーダーの特定運送事業者としての認定を取得しているのは2社にとどまっている。今後、取得すればどんなメリットが必要かなど認証取得を拡大するための問題点などを聞きたい」
《国交・経産省連携のモーダルシフト等推進官民協議会について》
「モーダルシフトの対象となる貨物はまだあると思っている。モーダルシフトを拡大するには荷主の協力が不可欠で、荷主に働きかけていきたい。対策として大事なことは、鉄道、海運の現在の輸送能力を最大限利用する方法を考えること、また、長期的には荷主にモーダルシフトを選択してもらうためのインセンティブや貨物鉄道の輸送能力向上のためのインフラ整備を今後も続けることを検討することも必要だ」
《交通基本法制定に向けた物流の取扱いについて》
「交通基本法検討会では12回目の会合で物流をテーマに議論された後、法案についての意見募集が行われているが、短距離は自営転換、長距離はモーダルシフトということがうたわれている。パブコメ結果をみた後、細部を詰めて来年の通常国会に提出されることになろう」
《国交省政策集2010の物流政策について》
「政策集では4つの柱で構成されているが、物流関連施策では効率化の推進が指摘されている。貨物輸送の平均輸送距離が伸びる傾向にあるが、物流拠点の集約やムダな輸送を無くし輸送距離を削減したい。積載効率の向上も大きいと思う。例えば、トラックの積載率は現在、営業用トラックが48%、自家用が25%だが、これを5ポイント上昇させれば、エネルギー消費量は10%減る。物流総合効率化法以外にも支援の方法はないか考えていきたい」。
カーゴニュース7月6日号