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物流業界ニュース

物流業界で増えてきた環境配慮型商品・サービス

「CO2排出ゼロ」のカーボンニュートラル輸送商品や排出権付きサービス

エコによる差別化、運輸業者向けカーボンオフセットの支援システムも

CO2削減などの環境対策が企業に対する社会的要請となる中、物流業界でも「輸送時のCO2排出ゼロ」を謳ったカーボンニュートラルな輸送商品が増えてきた。インテグレーター大手のDHLやUPSがこうしたサービスを相次いで打ち出している。また、日本通運や佐川急便など国内大手も、利用者や顧客が日本政府のCO2削減に貢献できるCO2排出権(クレジット)付きサービスを展開しているほか、CO2排出ゼロを売り≠ノした物流事業者が取扱いを増やすなど新たな動きも目立っている。「環境」をキーワードにしたサービスの最新動向を探ってみた。

●インテグレーター大手が相次ぎ「CO2ゼロ」商品を発売

UPSは今月12日から日本を含むアジア太平洋地域の13ヵ国・地域でカーボンニュートラル輸送サービスを始めた。輸送時に発生するCO2を算出し、カーボンオフセット・プロジェクトから購入した排出権で相殺するもので、利用者は1梱包当たり70円の追加料金でCO2をオフセットできる。CO2排出量の算出方法をはじめとするプロセス全体について、検査機関などからの認証を受けているのが特徴。

DHLも08年3月からアジア太平洋地区でカーボンニュートラルな輸送商品「「GOGREEN(ゴーグリーン)」の販売を開始している。顧客は通常料金に加えて3%の割増料金を負担し、DHLが自動車用代替燃料の開発やソーラーパネル、森林再生プロジェクトなどの認定を受けた炭素マネジメントプログラムに再投資することでCO2排出を相殺する仕組み。日本法人であるDHLジャパンは昨年、住商グローバル・ロジスティクスや双日ロジスティクスから「GOGREEN」による輸送を受託している。

●日通や佐川も「排出権付きサービス」を展開

日系物流企業に目を転じると、「CO2排出権付き」の環境配慮型商品が目立つ。日本通運は昨年6月から国際航空貨物輸送の分野で初めてとなるCO2クレジット付きの輸出混載サービス「エコツウ(ECO2)AWB」の販売を開始した。顧客は出荷依頼の際に一口10円からの購入を申し込むだけで、日本政府が進める「マイナス25%」の取り組みに貢献できるというもの。日通も顧客と同額のCO2クレジットを購入し、日本政府の償却講座に排出権を寄付する。

佐川急便が宅配便分野で展開しているのは「CO2排出権付き飛脚宅配便」。一般消費者に身近な宅配便を通じて、CO2削減に貢献できる業界初のサービスとして開発されたもの。佐川急便が購入したCO2排出権(1万トン)から輸送にかかるCO2排出量分を引き当て、日本政府に無償譲渡する仕組み。08年から通販大手・千趣会のネット通販サービス向けにサービスを開始しており、今年3月末までに約11万6000個を取り扱い、CO2排出権95トンを日本政府に譲渡した。

今年3月からは化粧品や医薬品、健康食品などの通信販売を展開する新日本製薬との間でも導入した。同社の通信販売で購入されたすべての商品を対象に、配送1個につき、新日本製薬が2円、佐川急便が1円を負担し、計3円相当分のCO2排出権を日本政府に譲渡している。

●「CO2排出ゼロ」で差別化図る事業者も

東京・名古屋・京阪神地区で自転車便を中心に宅配サービスを手掛けるエコ配は、「CO2排出量ゼロ」を売り≠ノしている。配送距離の短い大都市部ではほぼ全量を自転車配送でカバーしており、自転車で補えない配送で排出されたCO2についてはカーボンオフセットにより相殺することで排出量ゼロを実現している。現在、自転車や電気自動車といったエコ車両の導入比率は39%に達しているが、今後は集配メッシュをさらに細かくしていくことで配達員1人当たりの配送エリア半径を500メートル(現在は約1.7キロメートル)まで縮小し、完全にCO2を排出しないネットワーク構築を目指すとしている。

●リース分野でも排出権付き、事業者のオフセットを支援する取り組みも

フォークリフトのリースでもCO2排出権を付与したリース事業がスタートしている。ニチユMHIフォークリフトは昨年、三菱UFJリースと組んで三菱重工とニチユ製フォークを対象にCO2排出権付きのリースをスタートさせた。また、日通商事も排出権付きフォークリフトリースを開始しており、リース契約者に対し同社が保有している排出権年間1トン分を無償で割り当てている。

このほか、運輸低公害車普及機構(LEVO)は、今年度から「カーボンオフセット付きCNG車リース事業」を始める。今年度新規にリースするCNGトラックを対象に行うもので、ユーザーであるトラック事業者の希望に応じて「カーボンオフセットされた低公害車」であることを表示するラベルを貼付する。初年度はユーザー負担をゼロにする。LEVOがプロバイダーから排出権を取得しオフセット料金を支払う。

また、交通エコロジー・モビリティ財団は昨年から、運輸関係事業者の「カーボンオフセット」の取り組みを支援する事業を開始した。交通・観光分野の事業者に対し、財団が登録事業者に代わり一括でプロバイダーと契約し、クレジットの調達や償却を代行する。複雑な契約や取引を代わりに引き受けることで運輸関係企業の環境対策を支援するほか、システム全体でのクレジット取扱量が増加すれば割安で調達できるメリットも期待されている。

カーゴニュース7月20日号

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