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物流業界ニュース(物流/運送情報)

大詰めの「働き方改革」議論、トラック残業規制の行方は・・・

 労働組合は上限規制適用を主張、事業者側は「現実的に困難」

政府の「働き方改革」を巡る議論が大詰めを迎えつつある。安倍首相を議長とする働き方改革会議は2月14日の会合で、残業時間の上限を年間720時間・月平均60時間とする政府案を提示。この点については経営側、労働側双方ともに容認しているが、現時点で大きな焦点になっているのは「繁忙期に限り月100時間残業を認めるか」「例外業種を設けるか」の2点。

連合はいまのところ過労死ラインとされる残業100時間を認めない姿勢を崩していないが、例外業種を設けないことを条件として一部容認論も浮上しており、最終調整が続いている。政府は今月17日開催の会議で政府案を取りまとめ、労働基準法を改正する方針だ。

こうした中、トラックドライバーを含む自動車運転者はこれまでも適用除外業種とされ、別途、改善基準告示によってドライバーの労働時間などが定められてきた。今回の政府案でも「実態を踏まえて対応のあり方を検討する」とされている。

これに対し、トラック産別組織である運輸労連は「トラックが今回の改革に乗り遅れてはいけない」(難波淳介委員長)として上限規制を適用すべきと主張している。

しかし、トラック業界関係者からは「改善基準告示すら守れていない状況で、さらに厳しい上限規制は事実上不可能」との声が多く、調整は正念場を迎えている。

●「現行基準のままでの法制化は、過労死業種と認めたことになる」

現在、トラックドライバーが遵守を求められている改善基準告示は、年間拘束時間3516時間、月間293時間と定められている。この基準で計算すると時間外労働は年間1171時間、月間97時間まで可能となり、政府が目指す年720時間・月平均60時間とは大きな隔たりがある。

運輸労連の難波委員長は「他産業と同時に規制に入ることは難しいかもしれない」と猶予期間の必要性については認めながらも「同じスタートラインに立つべき。大きな改革が進む中で、トラックだけが対象外でいいのか。適用除外になった場合のインパクトのほうが大きい」として、適用除外が業界に与えるダメージは大きく、ドライバー就労希望者がさらに減ることを危惧している。

また、同じく運輸労連の世永正伸副委員長は、陸上貨物運送業が過労死ワースト1位である現状を踏まえた上で「仮に3516時間(改善基準告示の年間拘束時間)のまま法制化されたとしたら、立法府と行政府、トラック協会、労働組合がトラックが過労死認定業種≠セと認めることを意味する」と強い調子で指摘する。

●「現行の改善基準すら守れない状態。現実として難しい」

ただ、実態は厳しい。トラック業界関係者は「ドライバー不足が進んでいることで、改善基準告示すら守れない状態で、違反率が増えている。(政府案)の高いハードルを実現することは現実的に難しい」と語る。また、「労働時間の短縮は荷主の理解が不可欠であり、我々だけではどうすることもできない」との声もあり、建設業などとともに適用除外として扱うべきとの意見が大勢だ。

カーゴニュース 3月7日号

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