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物流業界ニュース(物流/運送情報)

政府 働き方改革、生産性向上を切り口に

 自動車運送事業の行動計画公表へ

「トラック業界の生産性向上の成果を上げるには荷主の協力が不可欠だ」――。6月21日に開かれた「生産性向上国民運動推進協議会」の第2回会合で、安倍総理はトラック業界の生産性向上に関する取り組み事例の報告を受けてこう語った。首相自らが荷主にも言及しながらトラック業界が抱える諸問題に対し、国として取り組むことを“宣言”したことで、トラック行政も業界も大きな転換期を迎えている。

労働時間上限規制はトラックにも

政府はサービス業のうち、特に生産性向上が求められる5産業(トラック運送業、小売業、飲食業、宿泊業および介護業)については、15年度に「サービス業の生産性向上協議会」を設置して議論を開始。このうち「トラック運送業の生産性向上協議会」は、「トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会」と合同開催とし、取引環境と労働条件改善に加え、IoT等先端技術を用いた生産性向上の方策についても検討を実施している。

3月28日に政府が「働き方改革実現会議」で策定した「働き方改革実行計画」では、自動車運転業務の時間外労働について、年720時間以内とする一般則が適用される5年後に、年960時間以内とする上限規制が適用されることとなった。政府では、取引条件改善などの取組を推進する一環として、商慣習の見直しや取引条件の適正化を一層強力に推進することとされた。

現行制度では自動車運転業務は限度基準告示の適用が除外され、その“特殊性”を踏まえて拘束時間の上限を定めた「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)により自動車運転者への監督を行っているが、限度基準告示適用対象他業種と比べ長時間労働が認められる。今回は罰則付きの時間外労働規制の適用除外としなかったことは“一歩前進”だが、一般則よりも長い上限規制が設けられたことに労働界からは批判の声も上がっている。

関係省庁連絡会議で施策を検討

5年後の施行に向け、荷主を含めた関係者で構成する協議会で労働時間の短縮策を検討するなど長時間労働を是正するための環境整備を強力に推進。自動車運転業務については6月29日に、「自動車運送事業の働き方改革に関する関係省庁連絡会議」を発足させ、(1)生産性の向上(2)多様な人材の確保・育成(3)その他長時間労働を是正するための環境の整備――の視点から検討を開始。

自動車運送事業について、長時間労働是正に向けた環境を整備するため、関連制度の見直しや支援措置に関する行動計画を策定・実施することとし、8月頃に17、18年度に取り組む施策などを盛り込んだ「当面の対応方針」を取りまとめ、できるだけ速やかに政府としての行動計画を策定・公表する。関係者からの要望を参考にするとともに、それ以外の取組を含め計画に盛り込む施策を各省庁で検討する。

なお、関係者からの主な要望では、ドライバー1人当たりの輸送量の拡大(共同配送の促進等)、手荷役の削減、トラック予約・受付システムの導入支援などによる荷待ち時間削減、女性や若者の就業促進、適正な運賃・料金収受を含めた取引環境の適正化などが挙げられた。旅客・貨物の「かけもち」の可視化(客貨混載・併用)や荷積み・荷卸しの駐車場所の確保と駐車規制の見直し、中継輸送の普及・拡大も求めた。

我が国では国内総生産)GDPに占めるサービス産業の割合は約4分の3で、とりわけ流通・運輸サービス業は約2割を占め、製造業全体のシェアに匹敵。公務員を除く就業者に占めるサービス業の比率は約7割で、うち流通・運輸サービスだけで全体の4分の1を占める。このため流通・運輸サービス業の生産性向上は日本経済の成長にとって重要なカギを握っている。

カーゴニュース 7月27日号

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