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物流業界ニュース

申告官署の自由化、通関業務料金の自由化で業界はどう変わる?

選択の幅が広がり、創意工夫が生かせる環境に

財務省関税局では2017年のNACCS(輸出入・港湾情報処理システム)の更改に合わせ、AEO事業者(AEO輸出者、AEO輸入者、AEO通関業者)を対象に輸出入申告官署を自由化するとともに、通関業者の営業区域制限を廃止するための通関業法等関係法令の改正を予定している。関税・外国為替等審議会関税分科会は12月に、申告官署の自由化等を含む2016年度関税改正等に関する答申をまとめ、次期国会に関連法案が提出される見通しだ。通関業法の改正では、通関業務料金の最高額設定の廃止、すなわち通関業務料金の自由化も盛り込まれており、業界への影響が注目されている。

申告官署の自由化により、AEOの荷主(AEO輸出者、AEO輸入者)では、貿易業務を統括する本社に最寄りの税関、あるいはAEO認定を受けた税関に申告先を切り替えることができる。AEO通関業者は港・空港ごとに営業所を構えていた通関業者が一定のエリアで通関営業所を集約し、業務の効率化や効率的な人的配置を行える。

輸出入申告全体のうち、AEO事業者が関与する申告は5割程度と言われているが、自由化以降、申告先がどの程度変化するかはまだはっきりしていない。通関業界からは当初、申告官署の自由化により「荷主の自社通関が増加する」と危惧する声もあったが、各地区の通関業者に委託している現行の体制を変更するには労力がかかるため、変更しにくいという見方もされている。

既に全国に拠点があり、主要港で通関業・港湾運送事業のライセンスを保有しているAEO通関業者では、例えば東西で通関営業所を集約し、貨物検査には既存の拠点で対応する――といった体制を検討している。が、どこに申告するかは「すべて荷主次第」で未定。さしあたっては「全国どこでも対応できます」という営業窓口の“集約”で体制を整えるようだ。

通関業法の改正で影響が大きいと思われているのが、通関業務料金の自由化。収益面へのマイナス影響を懸念する中小の通関業者も少なくない。料金設定において最高額がある程度の目安となっているため、それがなくなることで「今より料金がとれなくなる」という見方だ。しかし、一方では、複雑だったり労力の要る通関手続きについては、相応の料金を収受できる可能性もあるとも言える。

財務省関税局の考え方によると、申告官署の自由化はAEO輸出者、AEO輸入者、AEO通関業者に対する「ベネフィット」として、申告官署の「選択の幅を広げる」もので、料金の自由化を含む通関業制度の改正は「通関業者の創意工夫がいかされる環境整備」と位置付けられる。それを利用するか、しないかは輸出入者、通関業者の経営判断ということになる。

カーゴニュース 1月7日号

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