1. 【富士物流TOP】
  2. 物流業界ニュース
  3. 2016年2月
  4. 通関業セミナーで中国経済の専門家、津上俊哉氏が講演【通関連・東京通関業会】

物流業界ニュース

通関業セミナーで中国経済の専門家、津上俊哉氏が講演 通関連・東京通関業会

「習近平の経済、政治、外交〜2016年の中国を占う」がテーマ

日本通関業連合会(鈴木宏会長)と東京通関業会(曽根好貞会長)は共催で通関業セミナーを開催し、約250人が参加した。中国経済の専門家として知られる津上俊哉氏(津上工作室代表)が「習近平の経済、政治、外交〜2016年の中国を占う」をテーマに講演。津上氏は「中国がGDPで米国を抜く日は来ない」との持論を展開し、長期的にみて中国における少子高齢化の進行防止は手遅れで、2020年代後半以降は実質成長維持が困難になるとの見方を示した。

津上氏によると、中国のGDP成長率は3年前の8%から6.9%まで落ちているが、「7%成長しているとは思えない。せいぜい3〜5%の間ではないか。だからと言って“お先真っ暗”ではなく、上がるところと下がるところとがまだら模様になっている」と説明し、具体的には重厚長大産業については、「土砂降り景気」であるのに対し、ニューエコノミーは「日本の先を行く」成長を指摘した。

09年以来の高成長は「投資バブルの産物」であるとし、「投資と借金頼み」の成長かさ上げ路線はもはや限界で、「国全体のバランスシートが毀損している。“名ばかり”資産が積み上がっている」と指摘。バブル後遺症脱出には5〜10年かかるとの見方で、「大型景気対策が打ち出されたら、逆に悪い知らせで、底打ちの兆しが見えないことの方がむしろグッドニュース」との持論を語った。

11月末にIMF/SDRバスケット入り内定後、元安が進行し、「人民元問題はグローバルリスク」と位置付け、「1〜2割の元安が緩やかに進行した方が中国経済にとっても世界経済にとっても有利」だが「新興.途上国通貨のドミノ式下落を誘発し、通貨危機に陥る国も出現するのでは」と指摘。「チャイナリスクと言われ、震源地は中国だとしても痛打されるのは周辺国や他の途上国となる可能性が高い」とした。

生産性の向上が今後の成長エンジンとなるが、共産党は「内なる既得権益をあきらめるか、経済成長をあきらめるか二択しかない」と強調。共産党三中全回決定(13年11月)は、全方位、大胆な改革であり「80点程度」と評価し、「13次五計」(16〜20年)中の中国経済について「デレバレッジにより景気は長いトンネルであるが、新興産業の育成・成長はそこそこ進む。国有企業改革などでは後退もある」と解説した。

長期的な問題として、少子高齢化の進行を挙げ、「人件費は毎年15%ずつ上がっていて、ブルーワーカーのなり手は10年前の半分。約15年の時差で日本の後を追う」と報告。「全面二人っ子政策」の有効性については、「全面二人っ子制作により、被扶養人口が増える。それにより、労働人口が押し下げられるため、20年代の中国経済がもっと苦しくなるのでは」と指摘した。

セミナー開催にあたり鈴木会長は、17年に予定される関税法・通関業の改正について「こうした局面を業界の発展のために前向きにとらえて活動したい」と挨拶。懇談会では東京通関業会の曽根会長が「来年10月には申告官署の自由化、通関業法の改正が控えているが、(本日傘下の)関税局の方々と交流を深め、有意義なひとときを過ごしてほしい」と述べた。

カーゴニュース 2月2日号

powered by cargo news

富士物流は、物流・倉庫ソリューションの一括アウトソーシング(3PL)を実現します。