1. 【富士物流TOP】
  2. 物流業界ニュース
  3. 2016年2月
  4. スキーバス事故を受けて安全対策を強化 藤井自動車局長が会見で

物流業界ニュース

スキーバス事故を受けて安全対策を強化 藤井自動車局長が会見で

「バスとトラックは似ている」「準中型の研修も免許だけでは不十分というのが前提」

国土交通省の藤井直樹自動車局長は10日、定例の記者会見を行い、軽井沢のスキーバス事故を受けてバス事業者に対して運転者に対する運転技能の指導の徹底などを要請しているが、「バスとトラックは似ているし、リスクを極小化するためにも、(安全対策の)制度を参考にし、入れるからにはやってもらわなければならないので、チェックする仕組みも考えたい」など、トラックについても安全対策強化を検討していく考えを示した。

トラック運送業界では17年春に18歳でも車両総重量3.5〜7.5トンまでのトラックを運転できる「準中型免許」が導入される。これによって高齢化が進むトラック運送業界に若年ドライバーが入りやすくなることが期待されているが、同時に心配されている安全対策については、「初任運転者に対する特別な指導の内容及び時間」として座学で15時間、実際にトラックを運転する実技で20時間以上をかけることについて、パブリック・コメントを求めている最中。

「免許を持っているだけではダメで研修を受けて初めて実際の事業運行ができるようになるという準中型免許の研修制度は新しい制度。免許だけではダメだというのが前提で、そこに経験が必要という制度設計になっている」としている。トラック運輸産業に他産業から転職してくる初任運転者などについても、こうした研修制度が必要かどうかについて、今後、議論も行われそう。バス、トラックはいったん事故が発生すると大規模なものになるため、改めて、安全対策の重要性について検討が深められているようだ。

また、こうした研修制度を導入するにあたって、バスについては事業者側が教育コストをまかなうために運賃の下限を守るように指導監督を強めていくが、トラックについては取引環境・労働時間改善協議会などを通じて荷主に理解を求めていくとともに、トラック運送事業者に対しても「賃金を上げて、と要請することは当然ありうる」としている。「一国の総理が賃金を上げてほしいと明確に示しているので、それを各分野でやらなければならない。運賃を上げるのは、その原資を労働環境改善に回し、いろんな人が入ってくれるようにするためだ」としている。

●バス事故を受けての安全対策や運賃の議論がトラックでも?

1月に発生した軽井沢スキーバス事故は1985年以来の2ケタの死者を出した事故であり、国交省では対策に追われているが、特に問題とされているのは、ドライバーが大型バスの乗務経験があまりなかったということ。「そのこと自体は法令違反ではないが、果たしてそれでいいのか。また、旅行会社に協力金を支払うということで、実質的には下限割れ運賃での運行だった。関越自動車道の事故を受けて14年に導入した運賃制度は浸透していたと思ったが、さらに守らせる必要がある」としており、3月までには対策の中間整理を行って、実施可能な政策は夏までに実施していく方針だ。

国交省では19日に3回目となるトラックの取引環境・労働時間改善中央協議会を開催する。ここでは長時間労働に関するアンケートの調査結果が報告されるが、適正運賃収受の議論も行われる。「しっかり運送事業者が安全にかかる投資が行え、ドライバーの労働条件も満たされるような運賃を収受することが基本であり、それについて荷主に理解してもらう。軽井沢の事故でも運賃は下限割れしており、そのバス会社と旅行会社との関係は、トラックと荷主と同じ構造。ドライバーが集まらなければ物流は滞る、そうならないためにも適正な行動をお願いしたい。安全にはコストがかかり、1円でも安ければということでは解決しないことは軽井沢の事故が示している。下請けの取引環境改善は政府全体でも取り組んでおり、トラックはメインテーマのひとつ。政府全体の取組の中でやっていきたい」「大きな流れの中で底上げは図れる。それぞれの業界団体のリーダーにお願いする」と述べるとともに、トラック事業者に対してもドライバーの賃金を上げるよう要請していく考えも示した。

カーゴニュース 2月16日号

powered by cargo news

富士物流は、物流・倉庫ソリューションの一括アウトソーシング(3PL)を実現します。