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物流業界ニュース

物流とこれからの都市づくりを考えるシンポジウム開催

東京都市圏交通計画協議会 第5回物資流動調査の結果を踏まえ

都市・交通計画の観点からみた物流の課題や今後のあり方について考えるシンポジウム「物流とこれからの都市づくり」(主催=東京都市圏交通計画協議会)が1日、東京・台東区のヒューリックホールで開催され、約300人が参加した。

東京都市圏における総合的な都市・交通計画の推進を目的とする同協議会では、2013年度から14年度にかけて「第5回物資流動調査」を実施。このシンポジウムではその調査結果を踏まえ、企業・研究者・行政のそれぞれの立場から、物流と都市づくりに関する取り組みや最新動向、協議会が取りまとめた物流施策への期待についての講演やパネルディスカッションが行われた。冒頭、協議会の事務局長を務める近藤雅弘・国土交通省関東地方整備局企画部広域計画課課長は、「東京都市圏はわが国の産業・経済の中心であり、協議会の各構成団体が相互に協力し合い都市・交通計画の観点から物流の効率化、適正化に向けた取り組みを行うことは、経済・産業の活動に資するだけではなく人々の快適な暮らしにつながる重要な活動といえる。物流は経済・産業活動や市民生活に密接にかかわるものであり、公表した提言の施策を実施するためには協議会各団体内の産業振興や交通行政にかかわる部局、民間企業や市区町村、国など多様な主体との連携が不可欠。皆様にとって実り多いシンポジウムであるとともにこれをきっかけに今後多様な主体による物流施策が取り組まれることを祈念する」と挨拶した。

最初に、協議会事務局の山中直人・国交省関東地方整備局企画部広域計画課課長補佐が、「第5回物資流動調査」からみた東京都市圏における物流の現状と動向に関する報告を行った。「近年はEコマース市場拡大に伴う高度かつ多様な機能を持つ大規模物流施設の立地や小口多頻度輸送の必要性、ドライバー不足などを背景とする輸送中継施設の立地や車両大型化、積載効率の向上、モーダルシフトなどの重要性が高まっている。また施設の免震・耐震化や分散立地、内陸移転なども進んでいる」として、東京都市圏の望ましい物流の実現に向け、(1)東京都市圏の活力を支える物流の実現(2)豊かで安全・安心なくらしを支える物流の実現(3)魅力ある都市と環境にやさしい物流の実現――の3つの目標を掲げ、実現するための方向性として(1)臨海部や郊外部における大規模で広域的な物流施設の立地支援(2)居住環境と物流活動のバランスを考慮した都市機能の適正配置の推進(3)物資輸送の効率化と都市環境の改善の両立(4)まちづくりと一体となった端末物流対策の推進(5)大規模災害時も機能する物流システムの構築――の5つの柱を示し、それぞれの現状と課題、都市組むべき施策について説明した。

続いて、協議会における検討会の座長を務めた兵頭哲朗・東京海洋大学海洋工学部流通情報工学科教授が、協議会の分析結果やオリジナルの分析結果による「データが明らかとする東京都市圏の物流の姿」と題した基調講演を行った。東京都市圏における物流施設の立地の現状や今後の立地予測などを分析したほか、協議会が打ち出した施策の「郊外部の高速道路IC近傍への物流施設の立地支援」「市街化調整区域等における物流施設立地のコントロール」「老朽化した物流施設の建て替え・更新支援」について取り組むべき施策事例などを紹介した。また、トラックの流れや動きなど物流ネットワークに関する現状と課題にも触れ、高速道路開通や物流施設の新設でトラックの発生量が近年どのように変化しているかを説明。「大型トラックの発生量と物流施設の規模には相関関係があり、大型施設ができると大型トラックの発生・集中を招くことが明らかとなった。都市計画の観点からは、物流施設と周辺アクセスとの一体整備を考える必要がある」などと解説した。最後に兵頭教授は「自治体の都市計画の視点から、物流施設がどう変わっていくのか、それが街や自治体にどう影響を及ぼすのかを、調査結果から検討してほしい。また喫緊の課題である震災対応についても調査結果を活用して対策してほしい」と話した。

後半は、森本章倫・早稲田大学理工学術院社会環境工学科教授、柴田和章・佐川急便取締役東日本統括、菊池雅彦・国交省都市局都市計画課都市計画調査室長、菊池守久・さいたま市都市局都市計画部交通政策課主任の4氏をパネリストに迎え、企業・研究者・行政それぞれの立場による物流と都市づくりに関する取り組みについてのパネルディスカッションが行われた。コーディネーターを務めた小早川悟・日本大学理工学部交通システム工学科教授は「今後の都市・まちづくりの中で物流をどう考えていったらよいか、皆さんと議論していきたい」と挨拶し、各氏が日ごろ取り組んでいる施策などを発表した後、討論に移った。これからの都市づくりやその中における物流のあるべき姿について意見が交わされ、「事業者や行政など関係機関が協力して計画、対策しないと『都市づくりの中の物流』を考えるのは難しい」など、必要な施策や仕組みづくりについて活発な議論が展開された。

カーゴニュース 3月8日号

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