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物流業界ニュース

羽田空港 中国線に続く米国線の増便で貨物拡大に期待

Eコマース、生鮮品など貨物は小口化、上屋業務の品質高める

●中国線増便に伴いTIACT機能を強化

昨年4月に昼間帯の発着枠が拡大し、さらには10月から全日本空輸(ANA)の中国便が大きく増便した、東京国際空港(羽田空港)。2015年暦年(1〜12月)の総取扱量は前年比26.1%増の34万9087トンと大きく伸長し、輸出量は71万1770トン(6.2%増)、輸入量も12万8168トン(15.9%増)、仮陸揚げ貨物12万3312トン(33.9%増)と好調に見えるが「中国路線の増便にはもう少し期待していた」というのが本音だ。今回の増便で、中国線は月間200トン、通年で2500トンの貨物輸送力が上乗せされたが、旺盛なインバウンド需要を持つ旅客に比べ、貨物は中国経済の鈍化もあり輸送力が供給過多状態にあるという。

全体で見ると、川崎東郵便局をハブとする郵便貨物や生鮮品などで輸出入ともに増加し、「早朝に築地を出て、その日の夕方に香港のレストランに並ぶなど、市場に近い羽田の利便性を活かした生鮮品輸送は定期輸送になってきている」という。羽田空港のネットワーク拡大に合わせて、一部で成田空港からのシフトもあったようだ。

東京国際エアカーゴターミナル(TIACT)受託分の15年取扱量は下期中国線増便もあり、総取扱量は21万3813トン(18.5%増)、積込みが8万9162トン(31.5%増)、取卸しが12万4652トン(10.7%増)となった。貨物量が大きく伸長する一方で、上屋作業の対応力強化も求められた。とくに中国線の増便は成田発着の米国便との中継輸送が多く、中国〜北米間の越境Eコマース商品など、限られた時間内で大量の小口貨物を正確にハンドリングし乗り継ぎ便に搭載する必要が求められた。TIACTでは、上屋内のトランジットエリアや到着貨物のブレイクスペースを拡大するなどの事前準備の上で対応したが、「人材のやりくりが大きな課題となった」と経営企画室の村松彰室長は振り返る。

個人消費貨物の拡大は中国路線のみならず、羽田空港の貨物全体に共通した傾向という。TIACTでは委託先企業を通じて15年だけで、現場荷役作業員を50〜60人増員し200人前後の体制に強化するとともに、事務職員も新たに10人程を雇用して120人体制とした。さらなる貨物の拡大が見込まれることから、昨年からはTIACTとして新卒採用を開始するなど、引き続き、人材の採用と長期計画に沿った育成を重視していく。

貨物拡大に伴い、フォワーダー側では羽田周辺の輸送ネットワーク不足も顕在化。成田周辺では庸車網を抱えるが、「羽田では配送会社が居ない」との声を受け、昨年はフォワーダー向けの運送会社合同説明会を開催した。特長ある4社が登壇し、生鮮貨物に強い航空集配サービス、航空会社の空港間輸送を多く担う平野ロジスティクス、羽田クロノゲートを至近に構えるヤマトグローバルエキスプレス、そして日本貨物鉄道は東京貨物ターミナル(大田区)を利用したAIR&RAILを提案し、40社ほど集まったフォワーダーからも好評だったため、今後も定期的に開催していく考えだ。

●北米線の増便、さらには東京五輪を前に下発着回数拡大に向けて――

16年に入り、羽田空港の1月総取扱量は2万8782トン(前年同月比8.7%増)、輸出量は7367トン(2.4%減)、輸入量は9654トン(前年同月と同じ)、仮陸揚げ貨物は1万1761トン(26.9%増)。TIACTの総取扱量も1万7377(5.9%増)と伸びたが、2月は前年同月実績の1万6404トンほぼ同量の1万6000トン前後で推移す見通し。米国港湾特需の反動減が最大の要因である。要また中国経済の鈍化による影響も今後出てくると想定している。

一方で、2月の日米航空交渉合意では昼間時間帯で10枠、深夜帯で2枠の米国便増便が決定。16年冬ダイヤからの就航を予定し、今年10月末以降は羽田と北米を結ぶ12枠の運用が始まる見通し。西海岸の花きを始めとした生鮮品輸入や、物量豊富な東海岸からは自動車部品から生鮮まで「あらゆるベースカーゴの取り扱いが見込まれる」。機材も大型化する上、外国航空会社の就航となれば南米との中継便も想定され、安定的な貨物量が期待される。

こうした中、TIACTとしても貨物拡大に向けたさらなる受入態勢の強化を進める。“羽田品質”の確立に向け、上屋内のレイアウト変更や人材確保、さらには機材の増強などに必要に応じて経営資源を投入する。ベースとなる取扱い品質を確保した上で、航空会社から要求されるより高度な要求への対応を図る。医薬品輸送や生鮮品のパッキング、一般貨物においてもパレット積載率のさらなる向上など、高い品質で応えていく。生鮮品を始め、航空会社やフォワーダーと連携した商品作りにも積極的に取り組んでいく。

その上で、見据えるのが20年の東京五輪だ。五輪開催を前に計画に掲げる、年間発着数3.9万回は現発着数の1.5倍に当たる。TIACTでも現状の上屋設備で対応しきれるのか航空会社・フォワーダー需要の市場調査を行った上で、必要であれば2万平方bの拡張用地を用いた新たな上屋の開設も視野に入れる。3.9万回の発着体制となれば「羽田も国際航空貨物空港として一定度の無視できない存在になるのではないかと期待している」と村松氏。「24時間発着が可能である強みを活かし、成田では扱えない貨物を取り込むことで、2空港の共存共栄を図りたい」との方針に変わりはない。

カーゴニュース 3月15日号

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