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物流業界ニュース(物流/運送情報)

熊本地震、緊急支援物資輸送は徐々に円滑化へ

交通インフラも復旧・再開進む、熊本県内での宅配便の集配も再開

14日から続いている熊本地震では、災害発生から1週間が経過した22日現在、徐々に交通インフラが復旧していることに伴い、被災地に向けた緊急支援物資の輸送も円滑に進んできている。また、宅配便や特積トラックについても、一部地域で制限はあるものの、熊本県内での配達が再開されるなど、物流自体は落ち着きを取り戻しはじめている。

一方、熊本県内に立地する工場の操業停止などによるサプライチェーンの混乱は、一部で尾をひくことにもなりそう。また、熊本や南九州などから出荷される農産品などの輸送が混乱することで、大型連休も前に店頭での品不足や価格高騰などが起きる可能性がありそうだ。

●交通インフラも徐々に回復

熊本地震では当初、鉄道、高速道路、国道などの交通インフラが寸断され、14日以降も本震や余震が相次いだこともあり、緊急物資を熊本県に運び込む幹線輸送ルートが狭隘化した。

国土交通省によるとJR九州鹿児島線荒尾駅から熊本駅間が運転を再開し、博多から熊本の在来線がつながり、19日の段階で運休している路線は4事業者7路線となった。また、それまでには高速道路は、ピーク時に7路線599kmあった通行止めの解除が同じく九州自動車道、大分自動車道、九州中央自動車道の3路線85kmまで通行止めが縮小した。

九州自動車道については、福岡方面から植木インターチェンジまで通行可能だったが、被災地へ緊急物資を輸送するためには、益城熊本空港インターチェンジまで緊急車両を通行可能とすることが重要だったといわれ、熊本インターチェンジ付近の神園跨道橋の復旧作業が課題だったという。ネクスコ西日本では、神園跨道橋を支える対策を実施し、19日午前中に、植木インターチェンジから益城熊本空港インターチェンジまで緊急車両が通行可能となった。また、熊本空港も19日から一部の運航が再開された。

物資輸送全般のうち幹線物流について、国土交通省の石井啓一大臣は「全国から被災地の近くまで持ってくるということについては、大手物流事業者の参画のもとに、トラック、鉄道、内航海運を利用して輸送する体制を確保するとともに、現地近傍、佐賀県とか福岡県に支援物資を搬入する拠点を確保している。拠点から市町村の指定する場所への支援物資の輸送が一番課題となっていたが、18日、19日は自衛隊に相当活躍してもらった。さらに、物資の仕分けについての人的な支援として、物流業者から専門家を政府の非常災害対策本部、それから熊本県庁等へ派遣するよう指示をしている」と語った。

また、地震の被害が広がっている大分県でも、大分道(速見〜別府)の復旧作業が21日に完了して、一般車両を含めて走行可能になった。この時点で発災直後に599kmあった高速道路の通行規制区間は75kmまで減った。

●全ト協は自民党の緊急支援物資輸送にも協力

全日本トラック協会では、自由民主党による熊本県への緊急支援物資輸送に協力し、19日19時30分、自民党本部から熊本県の被災地に向け、支援物資(飲料水500ml・750本)を積んだ緊急支援物資輸送トラック(日本通運の4tトラック1台)を出発させた。出発時には、自民党三役(谷垣禎一幹事長、二階俊博総務会長、稲田朋美政務調査会長)が挨拶し、全日本トラック協会に対する謝意が示され、今後も被災地に向けた支援物資の輸送を行うとしている。

これに先立ち、全ト協の坂本克己副会長、福本秀爾理事長が自民党三役に対し、熊本地震に係る緊急支援物資輸送の取り組み状況を報告。これには、国土交通省の武藤浩国土交通審議官、秡川直也自動車局貨物課長が同席した。

●全ト協、熊本県ト協など地方協会も数百台の体制で緊急輸送

全ト協や熊本県トラック協会など地方トラック協会は、非常災害対策本部や熊本県などの要請を受け、大量の物資を緊急輸送している。

このうち、全ト協は毛布3万枚、飲料水9万本、カップ麺42万食、トイレ8000個、パン43万食などを約120台で熊本県内をはじめ隣接県等に指定されている緊急物資集積所などへの搬送を実施している(85件)。

また、熊本県ト協は17日の段階で熊本県庁、日本通運、ヤマト運輸と連携して緊急物資集積所に物流専門家を派遣したほか、同日夜には熊本市と協議し、18日から県内の物資集積拠点等に協会職員を派遣し、支援物資の物流管理などを含めた効率的かつ円滑な物資輸送を実施している。また、佐川急便の協力を得て、益城町内の物資集積所から町内に散在する末端の避難所等への配送などを実施している。

このほか他のトラック協会も毛布11万枚、飲料水74万本、パン13万食、おにぎり25万食、トイレ12万個などを380台のトラックで運んだ(いずれも21日の段階)。

当初、なかなか被災者に救援物資が届かなかったことについて、ある関係者は「当初、貨物を受け入れて仕分けするだけで、肝心のトラックを手配して配送してもらうということが自治体の現場ではできなかったようだ」「国交省なども大規模災害時を想定した自治体向けのセミナーも開いていたが、人事異動などにより、ノウハウが蓄積されていなかったケースもあった」「県ト協から専門家が早く入った自治体は、それ以降、比較的スムースに流れたようだった」などと語っていた。

●宅配便も熊本県内での集配を再開

一方、通常の物流活動については、ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便などの宅配便サービスは22日現在、一部地域での配達停止は残るものの、熊本県での集配活動を再開するなど徐々に正常化に向けた道を辿っている。西濃運輸や福山通運といった特積大手も熊本県内での輸配送を再開している。

県内物流事業者の被災状況では、日本倉庫協会がまとめた熊本県内の会員41事業者のうち、21社で建屋の破損等、27社で保管貨物の荷崩れなどがあったもようだが、人的被害は報告されていない(4月18日現在)。

カーゴニュース 4月26日号

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