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物流業界ニュース(物流/運送情報)

適切な運賃・料金を収受できているのは25%=トラックの下請取引調査

 待機料金は84%が収受できておらず、書面化できていない取引も76%に

トラック運送業は多層構造によって仲介手数料が数次に渡ってとられており、適正な運賃・料金収受を妨げる一因になっている。改善のために取引相手である荷主・元請と交渉を行うことが重要であり、契約の書面化が導入できる環境をつくることが行政にとっては政策的な課題となる――。
 国土交通省はこのほど「トラック運送業における下請等中小企業の取引条件の改善に関する調査」をまとめた。これは、政府が中小・小規模事業者が賃上げを行いやすい環境をつくることを目的に昨年末発足した下請等中小企業の取引条件改善に関する関係府省等連絡会議(議長・世耕弘成内閣官房副長官)の元で、国交省が建設、運輸を対象に行った実態調査。
 実際に調査を行ったのは全日本トラック協会(星野良三会長)で、四半期に1回ずつ発表している景況感調査のネットワークを利用した。対象は1250社で、有効回答は735社だった。質問項目は(1)適正な運賃が収受できているか(2)附帯作業費、待機料金などの収受状況(3)取引相手から不適切な行為がなされたことがあるか(4)書面化ができているかなど。回答者の80%がなんらかの業務を下請に降ろしていることもわかり、複雑な多層構造の中で事業が展開されていることも改めてわかった。

●適切な運賃・料金を収受できているのは25%

運賃関連の調査をみると、適切な運賃・料金を収受できているという回答は25%で、このグループでは約6割の事業者が取引先に運賃・料金の引上交渉を行っていた。
 一方、収受できていないとの回答は75%で、その理由としては(1)元請が手数料を取りすぎている(2)荷主などから不利益を被る恐れがあり、運賃・料金の引上交渉ができない(3)取引先の経営状況が厳しい(4)入札方式なので(5)定期的に引下要請があるから(6)交渉をどのようにすればいいのか分からない――という回答が多かった
 また、運賃・料金を収受できないために、設備投資を抑制しているという回答が72%、人件費を抑制しているという回答が48%あった。
 元々、政府が省庁横断でこの連絡会議をつくった目的は賃金引き上げだが、トラックの場合は「事業者が荷主と交渉できないので適切な運賃・料金を収受できず、人件費が抑制される」というパターンに陥っていることがハッキリしたようだ。

●待機料金は84%が収受できていない

国交省や全ト協は、運賃値上げが難しい場合でも、トラックドライバーが商慣行的に負担を強いられている長い手待ち時間や附帯業務の作業費を収受することで、実質的な収入増を図ろうとしているが、今回の調査では、トラック事業者は荷主からもこうした料金を受けとっておらず、また、自身が元請となった場合でも下請に対しては支払っていないということがわかった。
 まず、荷主から実運送を受注している取引では、待機料金については83.6%、附帯作業費は58.5%、高速料金は43.3%が収受できていないと回答していたが、いずれもその4割が支払いについて荷主・元請とは交渉していなかった。
 一方、自身が下請トラックに対して附帯作業費を支払うかどうかについては、67.0%が支払っていない、という回答だった。ここでは2割から「下請から交渉されていないから」と支払っていないと回答していた。

●書面化できていない取引が76%に

国交省では、適切な運賃・料金が収受できていない理由として、契約が書面化されていないからだとして、ここ数年、書面化の普及を進めてきたが、今回のアンケートでも「書面化できていない取引がある」という回答がまだ76.4%あった。

●手数料は1取引あたり「運賃額の5〜8%」

このほか、今回の調査では、トラック事業者は真荷主からみて1〜3番目での受注が多いことや、手数料は運賃額に対する比率で収受しているものが多く、その比率は1取引あたり「運賃額の5〜8%」、定額では1取引あたり「1000円〜2000円」「2000円〜3000円」が多いこともわかった。
 国交省では取引環境改善のためにも、トラック事業者が自ら荷主・元請と交渉を行うことが重要であることが改めてわかった、としており、今後、契約の書面化の環境づくりをさらに進めていく。

カーゴニュース 4月28日号

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