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物流業界ニュース(物流/運送情報)

行政と荷主が地方協議会で決定するパイロット事業の内容を交渉中 

4回目のトラック取引環境・労働時間改善中央協議会は地方の論議の後で

4回目となる「トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会」は都道府県別に設けられた地方協議会での議論の後に開催し、まずは地方の実態に則したプロジェクトを選定する作業を優先――。

国土交通省と厚生労働省は昨年からトラックと荷主との取引環境を改善し。それによってドライバーの労働条件を改善。さらには生産性を向上させることを目的に中央協議会と、47都道府県全てに地方協議会を設けて議論を進めてきた。

2年目となった今年度は、ドライバーの具体的な時間労働の改善に向けたパイロット事業(実証実験)の実施に入る。パイロット事業については2年間行うということで、補正予算で3.3億円を確保しており、荷主業界ごとの商慣習・商慣行の対策、共同化、原価計算、IT活用などの例を各県ごとにつくって配布するなどしていた。

現在、都道府県ごとに労働局と運輸局が地元の荷主企業に対して、具体的な事業内容について協力を要請しているといわれ、地方トラック協会ではその結果を受けて国土交通省に対して具体的なプロジェクト内容を報告している。国交省としては地方協議会での議論とパイロット事業の選定などがある程度、進んだ段階で中央協議会を開く考えだ。

しかし、ドライバーの労働時間短縮につながるパイロット事業の選定とはいっても、トラック事業者から荷主に対して具体的な要求を行うことは難しく、労働局と運輸局が交渉の中心となっているようで、こうした場面でもトラック事業者の立場の弱さが浮き彫りになっているようだ。

●北海道では水産関係でパイロット事業

地方トラック協会の担当者に、パイロット事業の選定は具体的にどのように進められているかを聞いてみると「トラック事業者自らが荷主さんに対して『ドライバーの労働時間短縮のためにこうした改善を行いたい』と申し出ることは難しいので、地元の行政を中心に候補となる荷主さんを決めてもらっている」という答えが多かった。

「飲料メーカーが多いが、そうした荷主さんを含めて、まだ決まったとは聞いていない」(東北の地方トラック協会担当者)というところが多い中で、比較的早く決まりそうなのが北海道。かねてからドライバーの長時間運行が問題となっていた水産関係の輸送で実施できそうだという。今年2月に公表された実態調査でも改善基準告示違反の運行が多かった農水産品については、全日本トラック協会(星野良三会長)の福本秀爾理事長が次回の会議から農林水産省の関係者の出席を求め、国交省からも要請することになっていたが、さっそくパイロトット事業でも取り上げられることになりそうだ。

今後、6月から7月にかけて地方協議会で正式に個別のパイロット事業を決定し、全体の流れが確認できた時点で中央協議会を開く、という段取りになりそうだ。

昨年5月に開催された第1回中央協議会では過労を原因とした脳・心臓疾患の労災認定の約3分の1は長距離のトラックドライバーを中心とした自動車運転従事者で、精神障害の認定もドライバーは職業別で2番目に多く、こちらは短い距離のトラックドライバーが多いことなどが厚労省から報告され、荷主側の出席者は改めてトラックドライバーの長時間労働の問題点を認識したようだった。

2回目の中央協議会は11月に「トラック運送業の生産性向上協議会」と合同で開かれ、北関東を中心に展開するスーパーマーケットであるカスミがトラック事業者と協力して進めているドライバーの負担削減について説明した。

今年2月に開かれた3回目の中央協議会では昨年9月14日から7日間の期間で調査したトラック輸送の実態調査が明らかにされ、「1運行の拘束時間が13時間を超える運行が全体の36.6%、16時間超も13.0%ある。16時間超の割合が高いのは『大型』『長距離』『農水産品』『九州』。休息期間8時間未満も15.8%あり、『大型』の割合が高い。調査した1週間で休日がなかったドライバーも9.8%あり、これも『大型』の割合が高い。また、連続運転4時間超も10.7%あり、『大型』『長距離』『農水産品』『九州』の割合が高かった」ことなどが報告された。

こうした3回の会合を踏まえ、どのようなパイロット事業が都道府県ごとに選定されるかに注目が集まっている。

https://wwwtb.mlit.go.jp/chugoku/jidousha/o1_shiryou04.pdf

カーゴニュース 5月19日号

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