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物流業界ニュース(物流/運送情報)

「トラックはしっかり稼いで分配することが重要」と藤井自動車局長

来年3月には準中型免許も施行「協議会の場で適正運賃や附帯料金の収受を」

トラック会社にはしっかり稼いでもらって労働者である運転手に分配してもらいたい――。
 国土交通省の藤井直樹自動車局長は27日、定例の記者会見を行った。中型免許が来年3月12日から施行されることを受け、藤井局長は資格面での若年層トラックドライバー不足の問題が解決されるので、改めて「トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会の場で適正な運賃の収受や附帯業務にかかる料金収受についての取組が必要になってくる」と述べた。

ドライバー不足と高齢化が進むトラック業界での若年層の就業円滑化の必要性などから、15年6月公布の改正道交法で18歳から取得できる準中型免許を「2年以内に施行」することが規定されたが、警察庁が11日まで意見募集を行っている「準中型自動車運転免許」の創設を柱とした道交法施行令の改正案では、施行期日が来年3月12日と明記された。現在の中型免許は20歳以上で普通免許を取得して2年以上の運転経験がなければ取得することができないので、高卒でトラック運送会社に就職しても主力である中型トラックは運転できなかった。準中型免許の新設によって18歳以上であれば中型トラックに近い車両総重量7.5トン以下のトラックを運転できるようになる。

●トラック以外の資格緩和には議論が必要とも

こうしたことを受けて藤井局長は「昨年6月の道交法改正で3.5〜7.5トンの車両が高校卒業直後の18歳から運転できるようになったが、準中型免許の施行は3月12日からとなる。18歳からという若い方々にトラック運送業界に入ってもらうことに効果はあると思う。3月に向けて新制度の周知を図って、トラック業界にぜひ入ってほしい」と述べるとともに、「ドライバー不足対策として様々な取組を行ってきたが、若い人をどう入れるかは各分野でも問題になっている。トラックではさらに資格の問題もあったわけだ。給与も含めていかに魅力ある職場にするかという面では、トラック会社にはしっかり稼いでもらって労働者である運転手に分配してもらいたい。そのためにも、トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会の場で、適正な運賃収受や附帯業務にかかる料金収受についての取組が必要になってくる」という認識を示した。また、「働きやすい職場の実現のため、中継輸送の試みも行っているが、トラック車両自体もオートマで力がない女性でも運転できるように改善が進んでいる。人手不足対策はどんな業界でも取り組んでいるので大変だが、トラック運転手が不足すると物流全体が大変になるのでしっかりとやっていたい」と述べた。

藤井局長は、「こうした資格緩和はドライバー不足の制約要因であることは間違いない」としながらも、タクシーの二種運転免許資格の緩和に関しては慎重な議論を求めた。5月19日に発表された規制改革に関する第4次答申では、トラックと同様、タクシーでも若者の活躍推進によりドライバー不足を解消するために受験資格を緩和すべきであると指摘し経験年数要件(3年以上)、年齢要件(21歳以上)の見直しを求めている。藤井局長は、基本的に免許制度は警察庁マターであるとしながらも、事業を所管している立場から「運転免許は安全の根幹であり、第二種には営業車に人乗せて運転することを安全に遂行できる経験年数などが必要で、安全をしっかり確保した形で運行がなされることは事業の根幹をなす重要なものだと思っている。恒常的に人を運ぶ仕事はどうあるべきかという議論に期待したい」と述べた。

トヨタとウーバーがライドシェア領域で協業することについても、グローバル企業は世界の動向見ながら自動車ビジネスとしてやっていると理解しているとした上で「日本の国家戦略特区における自家用有償旅客運送の拡大は、非営利団体などが責任主体となって運行するのでライドシェアにはあたらない。安全安心を確保するための措置がないままドライバーだけに責任が負わされるのは問題だ」としている。

●協議会のパイロット事業は現実の取組を集約することが大切

また、今年度におけるトラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会の運営については「労働基準法の改正スケジュールをみながら4年間かけて腰を据えてじっくり取り組むべきことがビルトインされている。荷主の皆さんとの関係、トラック業界の多重下請けなど契約慣行を変えていなければ、目標としているトラック会社がしっかり運賃収入を得て、それをドライバーに還元して、過重労働や事故も減るという連関にはつながらない。しかし、どうやればいいんだということは具体的になかなかみえてこない。このため『実際、こういう風にやっていい方向が出ている』という現実の取組を集約するのが大切である」という認識を示した。

カーゴニュース 6月2日号

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