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物流業界ニュース(物流/運送情報)

ズームアップ 富士物流が「棚卸ロボット」の3号機の運用を開始

 大幅な小型化と軽量化を実現し、中・軽量棚にも活用可能に

●RFIDの導入・開発実績は16件

物流業界で労働力不足やそれに伴う人件費上昇が懸念される中、多くの人と時間、コストがかかるのが棚卸作業。その省力化・精度向上・スピードアップをめざし、自動で棚卸を行う「棚卸ロボット」の開発に取り組んでいるのが富士物流(本社・東京都港区)だ。このほどRFID技術を活用した「棚卸ロボット」3号機「愛称:ロジらふ(Logistics+giraffe)」を開発し、同社の京浜物流センター(川崎市川崎区)で運用を開始した。従来の2号機に比べ大幅な小型化と軽量化を実現し、中・軽量棚における物品の棚卸など活用可能な範囲を拡大。タブレットを使って事務所からも遠隔操作でき、商品や人への衝突防止機能も備えるなど安全性にも配慮している。

同社では2007年からUFH帯RFIDの基礎実験をスタート。最新のRFID機器・ICタグの性能の確認、評価、商品ごとの保管環境での読み取り実験を行ってきた。16年までの導入・開発実績は16件で、(1)物流資材の管理(2)荷物のトレーサビリティ(3)倉庫内での検品作業・棚卸作業・ロケーション管理――のほか、「棚卸ロボット」(1〜3号機)、ICタグ登録システムがある。

最近の例では、15年11月に富士物流の各拠点間を循環するスリーブボックス(通い箱)の所在管理にRFIDを導入。約500個のスリーブボックスにICタグを貼付し、RFIDハンディによる出荷実績、回収実績の収集、棚卸に活用している。次のステップでは、システムをクラウド化し、複数拠点での活用とともに、パレットやかご車の管理への適用拡大、最終的には商品と紐付けし検品作業時間の短縮を目指している。

「棚卸ロボット」については08年に、磁気テープの上を走行する1号機(実験機)の開発に成功。10年には東京物流センター(東京都江東区)の文書箱専用機として2号機(実用機)の運用を開始した。2号機は自動運転・無軌道制御・パレットラック3段目(5.4メートル)までのアンテナ昇降による読み取り機能を有し、棚卸作業の合理化を実現。ただ、サイズが大きく輸送が困難で、中量ラックの現場には適用できない課題があった。

●棚内ロケーション判別機能を搭載

16年2月には、京浜物流センターでLED照明の出荷検品と棚卸でRFIDの活用を開始した。LED照明については月次の棚卸のほかに、誤出荷防止を徹底するため、出荷準備を行った後、残数確認のための棚卸を毎日(営業日)実施しており、併せて年間で500時間程度を要していた。従来はマンパワーで行っていたが、省力化、精度向上を目指し「棚卸ロボット」3号機を投入した。

3号機はアンテナ昇降をモーターでなくエアコンプレッサー方式とし、高さ1800ミリメートル(最低時)、幅700ミリメートル、重量200キログラムと小型化・軽量化を実現。中量ラックの狭い通路でも運用できる。走行速度は最大で1分あたり40メートル、測定速度は1分あたり10〜20メートル。片側4枚のアンテナを搭載し、両側のアンテナで読み取れるため、さらなる短時間化が可能となっている。

3号機は物流センターで導入が容易な「棚ビーム誘導方式」で無人走行。中量ラック最下部ビームを利用して常時レーザーセンサーで距離を測定し、棚との距離を一定に保つ制御を行っている。最初に「一筆書きルート」を考えて「棚情報QRコード」「移動指示QRコード」を設置し、棚卸時には向きを合わせて連数を入力してスタートするだけの簡単な操作で制御可能となっている。

また、1品1品の棚内ロケーション判別機能を搭載。ICタグを読み取った時のRFDのアンテナの位置と電波受信強度を解析することで、ICタグの位置を特定。「回数を多く」「いろいろな位置から」とタグを読み取ることで解析精度を上げている。なお、ロケーション単位で商品位置を判別する「ロケーション判別」と、フロア内にあるかないかだけを判別する「フロア内判別」の使い分けも可能だ。

900アイテム、1万ケースの月次棚卸時間は10分。棚卸結果帳票を発行し、読取率はおよそ99.5%のため、1万ケース中約50ケースの再確認(RFIDハンディによる読み取り)が必要でその作業時間が20分で、棚卸の所要時間は計30分となる。従来はマンパワーで14.4時間かかっていたのが、所要時間(棚卸時間)で29分の1、作業時間(棚卸工数)で43分の1に削減される。

カーゴニュース 6月30日号

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