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物流業界ニュース(物流/運送情報)

関運局 「物流では一層の安全確保が第一の課題」と持永局長が就任会見

 「準中型免許制度、このチャンスをいかして計画的に新卒者の採用を」

関東運輸局の持永秀毅局長は20日、専門紙向けに就任会見を行い、就任の抱負を語った。同氏は国土交通省大臣官房審議官(国土政策局・自動車局・運輸審議会担当)から6月21日に現職に着任。「物流では一層の安全確保が第一の課題」、「我が国の産業、暮らしを支えているのは物流であり、生産性向上は避けられない」と強調した。当日の発言は次の通り。

一、本省では主として自動車局を担当していた。関東地域は4400万人の人口がいて、我が国経済をけん引する地域であり、自然も豊かで観光資源も豊富。一方では羽田、成田空港を抱え、我が国最大のゲートウェーであり、国際的にも大変重要な拠点。行政の使命は、関東エリアのポテンシャルをいかに引き出せるかだ。2020年には東京オリンピック・パラリンピックという国際的なビッグイベントが控えており、これらも視野に入れて取り組まなければならない。(関運局の)交通、観光いずれの分野の活性化も産業の発展につながる。関東エリアだけでなく、我が国全体の成長、国民の安全で快適な暮らしの実現に貢献していかなければならない。

一、着任前の6月に「関東交通観光戦略2016」を発表したが、これを着実に進めていく。重点項目は3点あり、1点目は「安全・安心の確保」。1月に軽井沢でスキーバス事故、3月に山陽自動車道でトラックの衝突事故が起きたが、いずれも関東管内の事業者だった。運輸事業のベースは安全の確保であることは基本中の基本。安全に万全を期し、監査、指導、運輸安全マネジメントなどやれることは何でもやっていく。

2点目は観光先進国への挑戦。訪日外国人観光客2000万人を事実上達成し、20年には4000万人を目指す一方で着実な経済成長と地方創生を実現していくには、観光産業が我が国の基幹産業になっていかなければならない。関東の強み、例えば、成田・羽田を抱える強みをいかし、自治体、事業者と一体となって外国人観光客の受け入れに取り組む。

3点目は物流の生産性向上と公共交通の再構築。労働者不足が顕在化しているが、我が国の産業、暮らしを支えているのは物流であり、生産性向上は避けられない。本省では20年までに労働生産性を2割上げる目標を掲げており、目標達成に向けて取り組む。人流に目を向ければ、北関東を中心に超高齢化社会が始まろうとしており、公共交通ネットワークを持続的なものにしなくてはならない。日々の暮らしのためということもあるが、外国人旅行客に関東を楽しんでもらうためにも重要なポイントとなる。
 東京を中心としたエリアについては、オリンピック、パラリンピックが開催され、とくにパラリンピックに向けては、例えば駅のホームドアの設置していくことや、大事な足であるバスやタクシーの車両のバリアフリー対策に着実に取り組む。

一、物流では一層の安全確保が第一の課題。関東地域の事業用自動車の交通事故の削減目標を毎年掲げているが、引き続き業界の皆さんとともに取り組む。トラックについては平成25年の9月に処分基準をあらため、悪質な事業者については優先的に監査し、軽微な違反については警告(行政指導)するなど、メリハリのある監査、処分の方向を打ち出した。昨年度から、適正化事業実施機関との連携を強化し、改善告示違反があった場合、まずは適正化実施機関が対応し、民民の中での自主的な改善を目指すことに取り組んでいる。いずれにしても、旅客ともに共通するが、悪質な法令違反については厳しくかつ速やかな監査によって安全を確保していく。
 船舶では昨年7月に旅客フェリーで大きな火災があった。本省で検討を重ね、3月に手引きが策定され、それに基づき関連事業者への指導を行っていく。

一、物流の効率化・高度化では、物流総合効率化法の改正案が先般成立し、この施行がこれからの課題となる。モーダルシフト、共同輸配送、予約システムを踏まえた物流の整備を、事業者と着実に進めていく。関東は京浜港を抱えており、とくに横浜港は18メートル岸壁が供用開始され、次の岸壁も関東地方整備局で整備している。京浜港の国際競争力強化では、京浜港物流高度化推進協議会の枠組みもあり、関係事業者と広域集荷体制を強化していく。

トラックについては、99%が中小企業で、厳しい取引環境にある。全国、各都道府県ベースで「トラック輸送における取引環境、労働時間改善協議会」が始まっており、関東でもその枠組みの中で長時間労働改善のためのガイドラインをつくっていかなければならない。今年度はパイロット事業が始まり、今は仕込みの時期で関係者と調整している。トラックドライバー不足問題については、昨年度から高校訪問を運輸局も始めており、引き続きトラック輸送事業の魅力、重要性を訴えていく。準中型免許制度が来年3月からスタートするが、業界としても長い間待ち望んでいた制度であり、このチャンスをいかして計画的に新卒者の採用に取り組んでほしい。

ドライバーだけでなく船員も高齢化、不足が目に見えている。学校訪問、会社セミナー、ハローワークとの説明会も行っている。22、23日に横浜・大桟橋で開かれる「海洋都市横浜・海博2016〜海でつながる街・横浜」ではひとコマいただき、「海の女子会」を開催する。陸もそうだが、女性に広く活躍いただけるよう力を入れていく。

日本は災害大国で、関東では首都直下地震が予想される。そういった場合に慌てないで済む防災・減災の体制づくりが必要。円滑な物資輸送に関しては、一定の自治体、物流事業者との連携はあるが、連携のさらなり強化や訓練の実施のほか、鉄道、内航の事業者にも加わっていただき、連携を図っていく。

持永秀毅(もちなが・ひでき)1962年3月6日生まれ。宮崎県出身。早稲田大学法学部を卒業後、84年4月に運輸省に入省。2013年7月内閣府大臣官房審議官(経済社会システム担当)兼内閣官房国土強靭化推進室内閣審議官、15年8月国土交通省大臣官房審議官(国土政策局・自動車局・観光・情報政策本部。運輸審議会担当)、16年4月同(国土交通政策局・自動車局・運輸審議会担当)。

カーゴニュース 7月26日号

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