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物流業界ニュース(物流/運送情報)

「JR貨物、まずは安定した利益を確保できる基盤確立を」
 国交省・奥田哲也鉄道局長が就任会見

6月21日に就任した国土交通省の奥田哲也鉄道局長は7月28日に専門紙記者と会見し、就任の抱負などについて語った。この中で奥田局長はJR貨物の株式上場に向けた期待について、「完全民営化に向けた前提として、まずは多少の経済状況の変動があったとしても安定した経常利益を確保していけるような経営基盤の確立を図ることがもっとも重要だ」と述べ、期待感を示した。

奥田局長の発言要旨は次の通り。

《就任の抱負》

鉄道局は3回目の勤務。1回目は32年前の入省時に当時の鉄道監督局で勤務し、2回目がその16年後に総務課の企画官となり、さらに16年後の今回、鉄道局長として着任した。最初は国鉄改革一色でその手伝いをしており、2回目は整備新幹線の新たなスキームができた時。今回は、リニアや新幹線が主な政策課題になっているが、与えられた課題を着実にこなしていきたい。

《JR九州の株式上場について》

JR九州については、完全民営化の前提となる安定的な経営基盤が確立されたと判断して、昨年の通常国会でJR会社法を改正し、今年4月から会社法の適用対象から除外するなど完全民営化に向け一歩を踏み出した。現在、今年度中を目途に株式を上場する方針に沿って、必要な準備を進めているが、今年5月に発表された前期決算でも、インバウント増加による鉄道運輸収入の増加、駅ビル不動産の増収などによって過去最高の連結経常利益320億円を計上するなど好調な経営が続いている。ただ、4月に発生した熊本地震が発生を受け、鉄道運輸収入の減少や復旧費用なども勘案しなければならないが、需要の落ち込みも順調に回復しており、当初の予定通り今年度中を目途に株式上場を進めたい。

《JR貨物の上場に向けた期待》

貨物鉄道はCO2排出量がトラックの9分の1であるなど、環境にやさしい大量輸送機関として重要な役割を果たしていると認識している。これに加え、少ない労働力で大量の貨物を輸送できるので、労働力不足に対応する観点からも貨物鉄道がさらに活用されることが望ましい。先の国会で改正物効法が成立し、モーダルシフトをさらに進めていくことになっている。

JR貨物を含めたJR各社については、経営基盤の確立などの条件が整い次第、完全民営化することが基本方針。その中でJR貨物は中期経営計画の中で、完全民営化の前提となる経営基盤の確立を図るため、今年度に鉄道事業の黒字化、再来年度に経営自立を達成することを目的に経営改革に取り組んでいる。まずは、完全民営化に向けた前提として多少の経済状況の変動があったとしても安定した経常利益を確保していけるような経営基盤の確立を図ることがもっとも重要。国交省としても、鉄道運輸機構を通じた設備投資に対する支援、環境省と連携したモーダルシフト支援、税制装置などを通じてJR貨物の経営自立に向けた後押しを続け、ゆくゆくは上場して欲しいと思っている。

《北海道新幹線のスピードアップと貨物鉄道の共用について》

青函トンネル共用走行区間では、新幹線と貨物列車のすれ違い走行時における安全確保のため、現在は新幹線の走行速度を時速140キロメートルにしている。一方、今後の高速走行の実現のため、時間帯区分案やすれ違い時減速システムによる共用走行案、新幹線貨物専用列車導入案の検討を進めるとされている。特に時間帯区分案によって平成30年春に安全性確保に必要な技術の検証が円滑に進むことを前提に、1日1往復の高速走行の実現が計画されている。3つの案とも前例がなく、高い技術レベルが求められるものであり、技術の検証や実現可能性について関係者と鋭意検討している。国交省として当面の方針を踏まえて、新幹線の高速走行と鉄道貨物輸送という2つの機能に十分配慮しながら、引き続き青函共用走行の検討を進めていきたい。

《リニア中央新幹線の大阪延伸について》

今経済対策の議論が与党内で進められているが、7月11日に安倍総理から経済対策の準備指示の中で、現下の金利環境を最大限に活かして財投を活用することでリニア中央新幹線の開業を前倒しするという意向が示されている。財投の活用によってJR東海が民間から資金を借りる場合との利息の差によって、(延伸に着手するまでの)8年間の養生期間を限りなくゼロにして、大阪開業を最大で8年間前倒しするというものであり、現在、JR東海と財務省とで貸付条件や償還条件を詰めているところだ。

カーゴニュース 8月2日号

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