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物流業界ニュース(物流/運送情報)

「トラックの適正運賃・料金検討会では、まず収受実態の調査を」

 「業界の多層構造を検討することも必要」 国交省・藤井自動車局長の定例会見

国土交通省の藤井直樹自動車局長は7月29日、専門紙との記者会見で、トラック輸送の取引環境・労働時間改善中央協議会での議論に資するために設置された「トラック運送業の適正運賃・料金検討会」について、「まずは運賃・料金の収受の実態把握が必要だ。荷主と事業者の(運賃・料金に関する)見方のちがいは、業界の多層構造に由来するのではないか」と語った。
 藤井局長の発言要旨は次の通り。 

トラック運送業の適正運賃・料金検討会」は第1回を7月13日に開催した。委員として、自動車局からは加藤進貨物課長が参加した。

この検討会を設置した理由は、トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会を進めていく中で、運賃・料金のことが重要なコアになっていることがわかってきたためだ。キックオフしたばかりだが、大筋として、検討会での議論を通じて、これまでに協議会を通じて分かってきたことに加えて課題を深掘りし、問題の所在を明らかにしていきたい。

トラック運送業界の取引環境を改善し、長時間労働を抑制していくためには、運送において、荷主から運送事業者に対して適正な運賃が支払われること、それにより、トラックドライバーへ支払われる賃金が上がり、ドライバーが長時間すぎる労働をせずにすむような賃金が支払われるようなるという状態となり、それによってこの業界で働こうという人が増えてくるという良い循環がもたらされることが望ましい。そのための議論を行いたい。

そこで、問題なのは、「適正な運賃・料金」という場合の適正≠ニいうこと。実はこれがなかなか難しい。トラック運送は、荷主と事業者の契約関係であり、契約の主要な内実は運賃・料金のこととなるが、どのように適正であり、どういった形で適正さを担保できるのかは、ただちに見えることではない。そういう意味では、トラック事業者の数が多く、荷主の数も多く、貨物の特性も多様なため、取引実態は非常に多種多様であり、どこに問題があるのかをしっかり調べなければ十分な議論はできないというところだ。

まずは運賃・料金の収受の実態を把握することが必要だ。当然ながら、荷主と運送事業者は双方が契約の当事者としてかかわっているのだから、運賃・料金については独禁法などの経済取引のルールもしっかり踏まえて考えていかなくてはならない。協議会では少しずつ論議も進んできているので、それが今後の検討会のベースラインとなり、方向を決めていくことになるだろう。

(トラック運賃・料金の適正化について)私が感じていることだが、荷主とトラック事業者とで見方のちがいがあるのではないか。トラック事業者からは、「手待ち時間や付帯作業によって発生する料金について荷主が十分に対価を支払っていない」という声が結構多いと感じている。一方、荷主側に聞いてみると「現在のような人手不足の時代に運賃・料金を適正に支払わないようでは運送が確保できなくなるので、適正に支払っている」という声も多い。これは双方の言い分が違っているように聞こえるが、ここには両方に真実が含まれているように思われる。実態把握のための調査が重要となる理由だ。

荷主に対しては、運賃・料金を適正に支払わないならば、需要・供給の市場原理が働いて、自社の貨物を運べなくなることが生じることを理解してもらうように働きかけなくてはならないだろう。

トラック事業者から「十分に支払われていない」という声も出ていることの原因のひとつには、トラック業界のかかえる多層構造が想定される。何重にも下請業者がある業界の構造を考えてみなければならない。荷主が最初に事業者に支払った運賃・料金も、(下請けから孫請け・ひ孫受けと)何層にもいくうちに、わずかな額になってしまうということが、可能性としてあるのではないか。

こうした面でも、実態を把握することが必要であり、トラック業界自身が多層構造をどう考えるのかが問われるところだ。下請け問題は、日本の中小企業の構造問題であり、現在、官邸主体で企業間の下請け構造を是正していくことが課題となっている。是正すべき部分をどう是正できるのかはトラック業界でも検討していくべきだろう。

荷主と事業者の契約の書面化について言えば、取引環境を改善し、運賃・料金を適正化するために有効なことだと考えている。ただ、これは荷主とトラック事業者の間だけの問題ではなく、事業者の側で業界の多層構造が問われることであり、そうした構造の問題点も考えるべきだと思われる。

検討会では、荷主とトラック事業者の両方の立場を把握し、両面的にアプローチすることが、改善に向けた取り組みのために重要となる。

カーゴニュース 8月4日号

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