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物流業界ニュース(物流/運送情報)

医薬品配送センター業務で30年のノウハウを蓄積 三菱倉庫

 運送業務でGDP準拠の新たなプラットフォーム、グローバル展開も

近年、物流事業者の参入が相次ぎ、競争が激化しているメディカル・ヘルスケア分野の物流。その中で、医薬品の配送センター業務を中心に高いシェアを獲得しているのが三菱倉庫(本社・東京都中央区、松井明生社長)。

同社が医薬品物流の分野に参入したのは約30年前。当初は外資系の新薬メーカーからの業務受託が中心だったが、2000年頃から日本の新薬メーカーからの物流アウトソーシング需要が増え始めた。「開発など自社のコア業務に経営資源を集中させる中で、国内新薬メーカーでも物流業務を外部委託する動きが強まった」(倉庫事業部医薬品チームの石垣健太朗マネジャー)と振り返る。

現在では、主力である配送センター業務での顧客数は約40社。その中には日本を代表する名だたる新薬メーカーの社名が並ぶ。そのほか、治験薬や医療器材などの関連する分野を加えると顧客数は100社を超えるという。

●多数の顧客を持つ集積メリット♀かす

医薬品配送センターの拠点は埼玉、大阪の東西2エリアが中心で、医薬品専用倉庫を含め数多くの拠点が集中的に立地している。

その中で同社の強み≠ヘ「BCP対策や安定供給を含めた品質の高さ」(同)だという。ハード面では一部倉庫で免震構造を採用しているほか、インタンクや非常用発電装置などを完備。ソフト面でも専用スタッフ採用時の導入教育をはじめ、生命をあずかる仕事として教育訓練には万全を期しているほか、同社品質グループによる定期的な内部監査体制も充実している。さらに「お客様の厳しい品質チェックや監査によって学ばせていただいたことは多い。30年の歴史に中でそのノウハウを蓄積できたことが品質における大きな財産」(牧繁実マネジャー代行)だと語る。

また、最近では顧客の理解を得ながらクロストレーニング≠煦齦狽ナ実施している。仮にある顧客が入居するフロアでパンデミックなどが起きた場合、別のフロアのスタッフが業務をカバーできるよう勉強会を開いているという。「同じ拠点に多くの医薬品メーカー様が集まっていることのメリットは大きい。今後はそのメリットをさらに追及することで、お客様に還元できる手法も考えていきたい」(石垣マネジャー)という。

●GDPに準拠した新たな輸送プラットフォームを構築

その中で、同社の新たなプラットフォーム戦略のひとつともいえるのが、新たな医薬品保冷配送サービス「DP−Cool」。運送子会社であるDPネットワーク(本社。埼玉県八潮市)が中心となり、医薬品の流通過程における品質管理基準「GDP(Good Distribution Practice)」に対応した保冷輸送を提供している。

GDPは現在、欧州などで導入が進んでおり、日本でも「日本版GDP」の制定に向けた準備が進んでいると言われる。国内でもGDPへの対応が医薬品メーカーの共通課題となる中、特にリスクが大きいと言われる輸送面での対応を先取り≠オたものがDP−Cool。温度管理機能の適格性が確認された専用車両を使用することで、輸送における高い品質を担保していく。

昨年9月から首都圏、京阪神地区でサービスを開始し、順次拡大を進める。「GDPへの対応が業界共通の課題となっているが、メーカーが個別に輸送の品質向上を進めていくことは難しい。そこで当社が3PLとして新たな輸送プラットフォームを提案することで、配送センター業務から輸送までを含めた安定供給体制を構築していきたい」(同)と語る。

●グローバル対応や再生医療分野への挑戦も

アジアを中心とした医薬品メーカーのグローバル展開に対応していくことも大きな課題だ。すでに治験薬の分野ではアジア域内における共同治験などを輸送面から支える仕事も行っているが、今後は主力業務である配送センター業務の受託にも力を入れる。「三菱倉庫としても国内外一体のロジスティクス業務の展開は大きなテーマ。お客様からもアジアで日本と同レベルの配送センター業務の提供を期待されている。各国によって規制が違う面があるものの、積極的に対応していきたい」(牧マネジャー代行)と述べる。

また、再生医療分野の物流にも注力していきたい考え。「まだ大きなビジネスになる段階には達していないが、一部でIPS細胞の保管業務なども受託している。今後は細胞や検体の温度管理輸送なども増えていく」(石垣マネジャー)と見ている。

子会社である富士物流(本社・東京都港区、渡部能徳社長)では、パーツ類などの緊急輸送を手掛けるインフラを活かして臍帯血の輸送業務も行っており、今後は共同営業にさらに力を入れていく。

「医薬品メーカーの物流アウトソーシング需要は一巡した面はあるものの、関連業務を含めるとまだまだ伸びる余地はある。当社としても引き続き注力事業分野に位置付けており、倉庫などのインフラも増強も予定している」(同)としている。

カーゴニュース 9月29日号

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