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物流業界ニュース(物流/運送情報)

「人手不足と賃金上昇で、料金転嫁などの対策が必要」と細見会長 日冷倉協

自然冷媒機器導入補助金事業、冷蔵倉庫で総額100億円超の利用実績

日本冷蔵倉庫協会の細見典男会長は2日、各委員会の委員長とともに記者会見し、業界の課題や協会活動について説明した。

荷動き動向では「全体として悪いとまでは言えないが、よくもない状況。首都圏では東京団地冷蔵の建て替えに伴い、昨年から在庫率の高い状態が続いていたが、今年の夏以降、在庫が徐々に減少し、現在は庫腹にやや余裕がある。要因のひとつに、期待したチリ銀(チリ産銀ざけ)の搬入がまだないということがあるようだ。関西地区については新増設もあったが、貨物増でなんとかなっている。北海道は台風による農産物の被害やサケ、イカなどの漁獲不振によりかなり厳しい状況となっている。(TPP環太平洋戦略的経済連携協定)発効の見込みが不透明感を増す中で、2017年度末には東京団地冷蔵の18万トン弱(の施設)が開業予定となっており、それらの影響を注視する必要がある」と述べた。

コスト面では「今年度の業績に少し貢献していた、電気料金の一部である燃料調整額の下落が、原油の再高騰により上昇に転ずると思われる上、人手不足とそれに伴う賃金の上昇が問題となりつつあり、料金転嫁等の対策が必要」と指摘。電気料金に関して「FIT法(固定価格買取制度)改正により、再生エネルギーにかかる賦課金の減免制度が変更され、減免率が大幅に減少されることとなった。減免を受けていた事業者にとっては大きな負担増になるため、自民党や経済産業省に要望を出しているが難しい状況にある」と報告した。電気料金の自由化にも触れ「協会としても、様々な事業実態に合った電力をいかに安く、安定的に導入していけるか、更に情報収集を進める」とした。

フロン冷媒問題では「2020年の全廃をにらんで、国土交通省・環境省連携の自然冷媒機器の導入経費に対する補助金事業が14年度から今年度まで3年間実施され、冷蔵倉庫事業者で総額100億円を超える利用実績となった。現在、16年度の補正予算でさらに10億円の補助金事業の公募も行われており、来年度以降についても同様の補助金の要望を協会として提出している。8月末に発表された各省庁の17年度予算の概算要求において、国交省・環境省の連携事業として、新たに冷蔵倉庫単独で5年間63億円という要求が財務省に提出された。こうした予算概算要求が出されることについては、一昨年設立された物流倉庫振興推進議員連盟への働きかけの影響が大きい」と述べた。

河合弘吉総務委員会委員長は冷蔵倉庫業界について「築年数が30年以上の冷蔵倉庫が67%」と経年化の課題を指摘。主要12都市の貨物動向では「月移動平均でみて、昨年3月をピークに入庫が減っており、前年同月比マイナスが続いている。とくに水産物、農産品が落ち気味で、冷凍食品が順調。在庫量はやはり水産物が減り気味で、畜産物は増えている。農産品は減って、冷凍食品は増えている」と報告した。松田浩環境・安全委員会委員長は自然冷媒の普及やフロン排出抑制法への対応、フロン(R22)再生利用事業の利用向上、「冷媒調査」の実施などの活動を紹介。大石竜司税制補助金特別委員会委員長は11月1日に提出した17年度予算編成・税制改正に係る要望書について説明した。

なお、要望書では冷蔵倉庫施設の7割強がフロン冷媒であるR22を使用しており、築年数が平均30年超となるなど老朽化対策、現場の労働力不足といった課題を踏まえ、(1)省エネ型自然冷媒機器普及促進事業の17年度以降の制度延長および拡充(2)物流拠点の低炭素化促進事業の延長(3)老朽化施設建て替え促進のための用地確保に対する支援(4)中小企業の機械等の特別償却または税額控除および特定資産の買換えの場合の課税特例の実施期間延長――を求めた。このほか、再生エネルギーにかかる賦課金の減免について、制度改正による大幅な負担増を緩和するため、製造業と同様の減免率にしてほしいと訴えた。

カーゴニュース 12月8日号

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