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物流業界ニュース(物流/運送情報)

「改正物効法は、物流生産性革命のための重要なツール」

「アジア展開に高品質とカスタマイズは有利」 国交省・重田物流審議官会見

国土交通省の重田雅史物流審議官は6日、専門紙との記者会見で、10月1日に施行された改正物流総合効率化法が、現在省を挙げて取り組んでいる物流生産性革命の重要な行政ツールであるとし、物流業界・荷主業界から幅広い関心を得ることで総合効率化計画の認定申請が増加することへの期待を述べた。

また、国交省の生産性革命本部では、オールジャパンで労働生産性を20%向上させることを目的として取り組みを進めているが、物流生産性においては、業務効率の向上と付加価値の向上の2方面から進めていくべきで、そのためにも生産性革命本部のプロジェクトを拡充させていくことが必要だとの考えを示した。

さらに、今後、日本の物流業界が発展していくための主領域となるのは成長著しいアジア地域であるとし、同地域に展開する日系物流企業が優位性を高めていくためには、高品質なサービスと顧客への高度なカスタマイズ能力をさらに磨き上げることが重要だと述べた。

その他、ドローン物流の2018年度実現に向けた、農産物の輸出拡大に向けた物流面での取り組み、新興国での物流パイロット事業の今後の展開などについて語った。

会見の発言要旨は次の通り。

●物流生産性革命の推進のために、改正物効法が重要な行政ツールだ。認定対象の主なものとして、モーダルシフト推進事業、地域内での輸配送の共同化、トラック輸送と連携した輸送網集約化という3つのカテゴリーがある。改正物効法が2者以上の連携を重視しているのは、総合的な観点から物流の効率化を図っていくことが重要となるため。物流という分野は幅広いので、荷主や事業者から多様な関心を持ってもらい、計画を立てていただきたい。

●物流生産性革命については、石井啓一国交大臣を本部長とする生産性革命本部が取り組んでいるプロジェクトを拡充させていきたい。業務効率と付加価値の2方向から生産性向上の取り組みを進めていく必要があるが、トラック業界での業務効率向上の例として、手待ち時間の縮減や宅配便の再配達の抑制などがある。付加価値向上の例として、クール宅配便などがある。現在クール宅配便の国際標準化に向けた取り組みを進めているが、こうした高付加価値サービスにより、アジア、ASEAN地域での物流フロンティア≠広げていくことが重要となる。

●日本物流団体連合会(物流連)が取りまとめた「日本の物流の強みを確認・普及するための調査」では、日本の物流企業が高品質サービスで、荷主へのカスタマイズに長けており、現場のオペレーション能力が高いという調査結果がでているが、認識は共通している。物流連の調査では、その長所が、グローバルな競争の場面では、コスト高を招く不利な要因にもなりうるとしているが、そうとは言い切れないのではないか。この点はむしろアジア地域での日系企業には優位性となると思われる。

今後、日本の物流企業が成長を求めるべきは、アジア地域であることは明白だ。欧米の物流企業に対して、日系企業はアジアと距離的に近いという地政学的なアドバンテージを持っている。日系企業が目指すべきは、アジアの人々が欲する流通サービスの提供ではないか。約6億人の人口を抱えるASEAN地域は、今後の経済発展により中間層が増大し、日本を超える消費市場が広がるだろう。それに伴い今よりも高度な物流需要が生じ、日本の高品質な物流や高度なノウハウが活用される範囲が拡大していくだろう。アジア地域では日本の物流が得意とする分野が求められていく。高品質なサービスを提供でき、荷主の要望へのカスタマイズが得意だという日本の物流企業の長所を磨き上げるべきで、それが必要となるマーケットがアジアでは成立していくだろう。

●ドローンによる物流を18年度には離島や中山間地などの過疎地で荷物の配送を実現しようという考えのもとに取り組みを進めている。離発着のためのドローンポートの共同開発も行っており、来年2月には実証実験も予定している。物流業界のニーズをドローンの開発者に伝えることが行政側としての役割だと思っている。

●農産物の輸出力強化を物流面で支えていくための取り組みとしては主に4点ある。まず農水産物の輸送では鮮度保持が重要なため、そのための技術開発等を支援していくこと。第2にクール宅配便の国際標準化を進めることで、輸出先の地域のコールドチェーンの質を高めていくこと。第3に自然系の冷凍触媒を使った冷凍倉庫への支援を環境省とも連携しながら行うこと。第4に海外でのコールドチェーン構築を図っている日系企業に対し、JOIN(海外交通・都市開発事業支援機構)を通じて財政的な支援を行うこと――など。これらの取り組みにより農水産物輸出を物流面で下支えしていきたい。

●新興国での物流パイロット事業について。国交省としても新興国との政策対話を積極的に行い、有効な成果を挙げている。私自身も最近ミャンマーでの政策対話を行ってきた。双方の政府・行政の担当者同士が対話をすることで、現地に進出している企業で何が課題となっているかを話し合い、解決へ向けた議論を行うことができる。パイロット事業を行うことで、相手国の政府やパートナー企業がユニットロードの有効性や通関業務のスムーズ化の利点などを理解し、現実の議論がしやすくなる。そのパイロット事業と政策対話を繰り返していくことで、現地での物流面のさまざまな課題を解決に向けて導き、日系企業が活動しやすい環境を作っていくことができると考えている。

カーゴニュース 12月13日号

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