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物流業界ニュース(物流/運送情報)

通関連 通関業セミナーで外交ジャーナリスト・作家の手嶋龍一氏が講演

 米ドナルド・トランプ次期大統領の通商・外交政策など分析

日本通関業連合会(鈴木宏会長)は12日、東京通関業会(曽根好貞会長)と共催で通関業セミナーを開催した。外交ジャーナリスト・作家の手嶋龍一氏が「2017年の行方を読む〜インテリジェンスを武器に〜」をテーマに講演し、米国のドナルド・トランプ次期大統領の通商・外交政策などについて分析を交えて話した。

手嶋氏は、トランプ氏が大統領選で一貫して掲げてきた政策「アメリカ・ ファースト」(米国第一主義)を説明し、米軍駐留費の全額負担を日本に求めていることに対しては、「日本はいまでも十分に負担しているが、それをトランプ氏に説明しても恐らく聞く耳を持たないかもしれない」と同氏の“反知性主義”を指摘。同氏の日本の核武装容認発言について「米国は第二次大戦の敗戦国である日本とドイツには、断じて核のボタンを委ねない――とする方針を翻した点でもトランプ政権は特異だ」とした。

TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)離脱明言について、「大経済圏を誕生させ、世界経済の推進エンジンに――と進めてきたものを“ちゃぶ台返し”してしまった。米国が参加しなければTPPは船出しない」とした上で、「日本はTPPとRCEP(東アジア地域包括的経済連携)の2つの枠組みに入っているが、貿易経済圏で主導権を握るのは経済大国。経済大国3位の日本は、TPPでは1位の米国、RCEPでは2位の中国の下に位置する。TPPが存続すれば、日本はそれを背景に中国にも発言権を持てた」とした。

トランプ氏が輸入品に35%の関税を設けるとツイッターに投稿したことに関し、「WTO(世界貿易機関)に提訴され、争えば負ける。だから、ツイッターでつぶやく。それが(国内回帰の)“絶大な効果”があった」と指摘。ツイッターでトヨタ自動車のメキシコ工場建設計画に批判の矛先が向かった背景として、「『自動車は国家なり』で自動車産業は稼ぎ頭。その最大の企業がトヨタだった。トヨタはメキシコ工場建設を撤回していない。『ことが収まった』わけではなく、トランプ氏は満足していないだろう」と分析した。

共和党、民主党の既存のいずれの派にも属さない異端派」であるトランプ氏の政策として、企業や富裕層への減税、社会インフラ整備の推進、保護貿易主義などを挙げ、「その財源はどうするのか――と問うてもムダ。それが反知性主義だ」とし、大型減税やインフラ投資を行った1980年代のロナルド・レーガン大統領の経済政策「レーガノミクス」と比較し、「レーガノミクスは全体の方向性が読めたが、トランプノミクスは読み解くことができない」と述べた。

日本とロシアとの北方領土問題にも触れ、「日米安全保障条約適用か否かが隠れたテーマ。ロシアとの交渉は、同時にトランプ政権の日米交渉でもある重要な交渉」と強調。冒頭に指摘した「日米同盟の空洞化」については、2015年4月29日の米国連邦議会上下両院合同会議における安倍晋三総理の演説を引き合いに出し、「日米同盟は単なる軍事同盟ではなく『理念』の同盟であることが大事。ただ、トランプ氏はその相手に足る大統領なのか、あるいは“まっさら”だからこそやりやすいのか――(外交の)腕の見せ所だ」とした。

また、「インテリジェンス」について「膨大で雑多な情報を意味する『インフォメーション』の海から、事態の本質を示す原石を選り抜き、真偽を確かめ、精緻な分析を加えて紡ぎだす情報のエッセンス」と定義し、通関業のさらなる発展に向け「インテリジェンス」の活用可能性を強調した。

懇談会では、秋の叙勲・褒章で受章した鈴木会長、横浜通関業会の石川隆義会長、長崎通関業会の澤山精一郎会長の受章を祝い、出席した鈴木氏、澤山氏に花束が贈られた。

鈴木氏は「受章はこの業界が正当に等身大に評価されたことでいただけたものだと思う。ますますこの業界が正しく評価され、日頃の業務の苦労が報われるよう希望する」と挨拶。乾杯の音頭をとった東京通関業会の曽根会長は「3人が同時に受章することはめったにない。通関業に携わる者として誇りに思う」と述べた。中締めを行った澤山氏は「長崎は小さな経済圏だが、日本のために連携を深めていくという基軸を揺るがさないように頑張っていきたい」と締めくくった。

カーゴニュース 1月19日号

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