1. 【富士物流TOP】
  2. 物流業界ニュース
  3. 2017年6月
  4. 倉庫業企業年金基金が発足し、総合DBに移行

物流業界ニュース(物流/運送情報)

倉庫業企業年金基金が発足し、総合DBに移行

 中小物流事業者の加入受け皿に

倉庫業企業年金基金が厚生労働大臣の認可を受け、5月1日日付で発足した。前身の東京倉庫業厚生年金基金の「代行部分」を国に返上し、確定給付企業年金(DB)に移行し、再スタートしたもの。全国の倉庫業および倉庫に関連する事業(トラック、不動産賃貸、梱包、通関など)を営む事業所が加入できる、広く中小物流事業者を対象とした年金制度となる。公的年金の給付が縮小傾向にある中、老後保障の一端を担う企業年金の重要性は増しており、人手不足が深刻化する物流業界で企業年金への加入は人材確保・定着化へのPRにもつながる。

●運用目標利回りは2%が目標

公的年金のスリム化で老後の生活資金確保は従業員・事業主共通の課題となっているが、公的年金のみでは生活費が不足する恐れがあり、生活資金を補う仕組みが求められている。ただ、企業単位での新たな企業年金制度設立は中小企業にはコスト面の負荷が大きく、業界・団体をベースとした企業年金基金を活用する意義は依然として大きい。

新制度では、運用目標利回りは2%を目標とし厚生年金基金のときの5.5%と比べ運用リスクを大幅に抑え、財政上不足が生じにくい仕組みとなっている。

年金給付は支給期間4通り(5年、10年、15年、20年)の選択が可能で、また脱退一時金として受け取ることもできる等、加入者のライフプランに即した受取方法を選べる。事業主は掛け金の全額損金算入が可能で、退職金支払いのキャッシュフローを平準化できるメリットがある。また、退職給付会計導入企業の場合は、複数事業主制度の特例が適用される。

従来からの加入事業主にとっては掛金負担が現行の半額となり、別途積立金(26億円強)は留保され、支給期間および給付算定方式を見直した場合でも、旧制度と同水準またはそれ以上の給付額を受け取れる仕組みを設計した。

●総合DBへの移行が最善と判断

旧東京倉庫業厚生年金基金は東京倉庫協会、東京冷蔵倉庫協会、全国倉庫事業協同組合に加入する事業主が発起人となり、1973年9月1日に厚生大臣から認可を受けて設立。当初は代行型の厚生年金基金として設立され、1980年4月に加算型に移行し給付を改善した。

2013年6月に、事実上の厚生年金基金廃止を定めた改正厚生年金保険法が成立。14年2月の代議員会で、加入員、受給者・待期者の老後の生活保障機能を維持する観点から、基金加入員、受給者・待期者双方が移行できる代行返上による総合DBへの移行が最善と判断。同12月に説明会を実施し、15年4月に将来返上が認可された。

代行返上の実施と新制度移行は事業主・加入員・労働組合の同意が必要で、16年10月に説明会を実施、全事業主からの同意を得て、平成29年2月に厚生労働大臣に認可を申請。5月1日付で認可が下りた。5月1日現在、加入事業所は193事業所、加入者数は8,756人で、30日に設立第1回理事会・代議員会が開催される。

物流業界では財政悪化や新制度移行の同意を得られない企業年金の多くが解散している状況。受給者への給付を維持したまま総合DBに移行するケースは珍しく、中小物流事業者の加入の受け皿として期待される。トラック事業者などから問い合わせが増えており、5月1日以降、既に正式な加入申し込みも2事業所あったという。

カーゴニュース 5月25日号

powered by cargo news

富士物流は、物流・倉庫ソリューションの一括アウトソーシング(3PL)を実現します。