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物流業界ニュース(物流/運送情報)

厚労省 HACCP導入義務化へ

 倉庫、運送も対象か

厚生労働省では、食品衛生管理の国際標準であるHACCP(ハサップ)の導入を食品関連事業者に義務付けることを盛り込んだ、食品衛生法の改正案を2018年の通常国会に提出する方針だ。20年の東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、日本の食品の安全性を国内外にアピールする狙いがあり、経過措置や準備期間を設けた上で施行を目指す。HACCPの導入は冷蔵倉庫事業者などが含まれる現行の食品衛生法の許可業種34業種に限らず、フードチェーンを構成するすべての業種が対象となり、食品を扱う倉庫会社や運送会社も含まれる見通しだ。

フードチェーン全体で衛生管理を「見える化」

食品衛生管理へのHACCP導入については1993年に食品の国際規格を定めるコーデックス委員会でガイドラインが示されてから20年以上が経過し、先進国を中心に義務化が進められてきた。わが国から輸出する食品にも要件とされるなど、今やHACCPは国際標準となっている。

国内の食品の安全性のさらなる向上を図るため、従来の衛生管理の取り組みに加え、事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因を把握し、特に重要な工程を管理することで、危害要因を食品衛生上問題のないレベルにまで除去または低減させ、これらを文書化するHACCPによる衛生管理を広く定義していく必要がある。

フードチェーン全体でHACCPによる衛生管理に取り組むことで、原材料の受け入れから製造・加工、販売に至るまで各段階で関わる食品等事業者それぞれの衛生管理の取り組み・課題が明確化。フードチェーン全体の衛生管理が「見える化」され、我が国の食品全体の安全性の向上につながる。

また、食品流通の国際化、食品製造現場での外国人労働者および訪日外国人観光客の増加、東京オリンピック・パラリンピックの開催を見据え、食品衛生管理の水準が国際的にそん色ないことを国内外に示す必要がある。諸外国でも導入が進み、食品の衛生管理の国際標準であるHACCPによる衛生管理の制度化、定着がわが国でも必要となる。

これまでの関係業界へのヒアリングでは、HACCP導入の必要性に一定の理解を示しつつも、業種ごとの特性や事業者の規模を踏まえた配慮や支援の必要性を指摘する意見が出された。そこで衛生管理についての基本的な考え方として、一般衛生管理の着実な実施が不可欠とした上で、HACCPによる衛生管理手法を取り入れることとした。

対象は食品衛生法の許可業種に限定せず

対象となる事業者の範囲は、フードチェーンを構成する食品の製造・加工、調理、販売等を行う食品等事業者で、食品衛生法の営業の規制と同様、営業の施設単位での適用を基本とする。また、「食品等事業者」の範囲については現行の食品衛生法の許可業種(34業種)に限らずすべての食品等事業者を対象に検討する。

食品等事業者自らが使用する原材料、製造方法、施設設備等に応じて、食品等の製造・加工・調理等を行っている施設ごとに、一般衛生管理およびHACCPによる衛生管理のための「衛生管理計画」を作成。このうちHACCPによる衛生管理は、コーデックスのガイドラインに基づくHACCPの7原則を要件とする「基準A」を対象とする。

ただ、事業者の特性、業種の種類によっては「基準A」では対応が難しいため、「基準A」を弾力化した「基準B」を設ける。「基準B」の対象となる事業者については、一般衛生管理を基本に業界団体が事業者の実情を踏まえて厚労省と手引書を作成し、それを参考にしながら管理する。

なお、HACCPによる衛生管理は一般衛生管理と同様、都道府県等により監視指導を行い、地方自治体の食品衛生監視員が衛生管理計画の指導・助言など支援する。また、食品安全にかかる「ISO22000」や「FSSC22000」の認証についても事業者の負担軽減や行政側の効率化の観点から十分に活用する。

EUや米国への食品の輸出に携わっていたり、荷主メーカーがHACCPを導入している場合などでHACCP認証を取得する物流会社も出てきた。HACCPによる衛生管理の義務化については食品衛生法の許可業種である冷蔵倉庫では動向を注視しているが、食品を扱う普通倉庫やトラック業界でも今後対応準備が必要になる可能性がある。

カーゴニュース 9月14日号

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