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物流業界ニュース(物流/運送情報)

海コン業者 待機の実態、記録により可視化

 長時間の待機は受注制限も

東京港のコンテナターミナルでの待機時間問題で新たな動きが出てきた。ターミナルゲートでの長時間待機は「責任の所在」や「待機時間料の請求先」に関する解釈がいまだ定まっていないが、海上コンテナ輸送業者の間では待機時間を記録することでまずは実態を可視化し、行政や荷主の理解を促そうという機運が高まりつつある。一方で、待機時間の記録はドライバーや会社にとっては「余分な業務」でもあるため、海コン輸送の需給がひっ迫する中、長時間待機を伴うターミナルの搬出入業務にかかる受注制限も広まりそうな気配だ。

海貨業者や荷主への請求が妥当?

貨物自動車運送事業輸送安全規則の一部を改正する省令により、7月から、荷主の都合により30分以上待機した場合に待機時間の記録が義務付けられた。また、11月には標準貨物運送約款が改正され、「運賃」以外の役務の対価が「料金」として定義され、このうち荷待ちの対価は「待機時間料」と整理された。

海コン輸送で荷主の工場・倉庫での荷待ちが一定時間を超える場合、現行約款の「車両留置料」を収受しているケースもある。しかし、ターミナルでの待機に関しては、「発生させているのはターミナルだが、そのターミナル(船社)を選んだのは海貨業者や荷主」と責任の所在があいまいで、車両留置料は請求も収受できていない現状がある。

過去にはターミナルでの長時間待機に関しターミナル会社に損害賠償を請求する裁判が起こされ、棄却判決が出た経緯がある。また、一般のトラック輸送では「着荷主」側での待機時間料の請求先は輸送の発注者である「発荷主」と想定されており、ターミナルでの待機時間料も海貨業者や荷主への請求が妥当とみられている。

ただ、ゲートでの待機は「荷主都合」「荷主指示による運行」かどうか解釈が難しい。例えば、東京港では夕方にターミナルに並ぶ車両が集中し、待機時間も長くなりがちだが、これは翌日の朝一番に輸入コンテナを配達するために前日の夕方にコンテナを引き取って置く独特の習慣によるものだが、「荷主都合」とするのは拡大解釈ともとらえられる。

待機時間の日報記録、負荷が大きい

「待機時間料を請求できるかどうかは別として、まずは待機時間を記録し、実態を明らかにすべき」、「待機時間料の収受が主目的ではなく、これだけ待機時間が発生しているというデータを示し、行政の指導や荷主の起用船社変更など改善のきっかけにできたらいい」と東京港の海コン業者は話す。

ただ、「待機時間を日報に記載するためのシステム変更も必要。手書きでドライバーに書かせるのも負荷が大きい」との指摘もある。待機時間を記録して行政や荷主に提示したところで“即効性”は期待できないため、「そもそも待機時間が長いターミナルの搬出入業務を断れば、記録も請求も不要」として受注を控える動きもある。

ある元請の海コン業者によると、「スポット傭車の中には “運送先”を確認する前に“ターミナル”を確認し、ターミナルによっては車が空いていても 断られるケースが多発している」そう。サプライチェーンを維持するため、海貨業者や荷主の船社起用に変化が出てくる可能性もある。

カーゴニュース 10月10日号

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