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物流業界ニュース(物流/運送情報)

全ト協事業者大会 「時代に対応し、生産性の向上を」と坂本会長

 「自信と誇りを持てる、魅力ある業界に」

全日本トラック協会(坂本克己会長)は3日、「第22回全国トラック運送事業者大会」を仙台市の仙台国際センターで開催し、全国から1400人超が参加した。「働き方改革の推進と取引環境の改善および長時間労働の抑制並びに生産性の向上」、「適切な原価管理に基づく適正運賃の収受」、「若年労働力等を中心とした人材確保対策の推進」など10項目を盛り込んだ大会決議を採択。参加者全員で「ガンバローコール」を行い、意識の高揚を図った。

開催ブロック協会を代表し、東北トラック協会連合会の須藤弘三会長が挨拶し、「東日本大震災から6年半になるが、発災時には皆様からの支援物資や励ましの言葉が大きな力となった。大会ではトラック運送業者が抱える諸課題に対し、再認識するとともに、一緒に力を合わせて取り組み、広く荷主や一般の社会にも業界の現状を周知し、暮らしと経済のライフラインである我々が抱える諸課題の解決に向け前進していこう」と呼び掛けた。

主催者を代表し、全ト協の坂本会長は「有効求人倍率が2・4倍まで上がり、全国の7割強がドライバー不足を訴えている。力を合わせ、魅力ある業界をつくっていかなければならない」と強調。国土交通省、厚生労働省が共同で設置したトラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会および地区協議会に触れ、「労働時間を減らしても、乗務員の賃金を減らさないよう荷主を巻き込んだ取り組みが必要。各地区で成果が出始めているが、良いモデルを全国に展開していきたい」と述べた。

政府の働き方改革に関し、「一定の猶予期間を経て、トラックも他の産業と同様、時間外労働の上限規制が適用される。一方で、政府は労働生産性の向上を図る政策を打ち出しており、貨物集配車の駐車規制の緩和や暫定2車線区間の4車化、SA・PAの駐車スペースの活用、高速道路の大口・多頻度割引の継続などある意味業界にとってのインセンティブも示されている」と報告した。

さらなる業界の発展、健全な会社運営を

運賃・料金の適正収受では、「手待ちや附帯作業が(無償の)サービスであるのはおかしい。改正標準貨物運送約款では(運送の対価である)運賃と料金を分け、契約の書面化についても国交省から荷主に指導するという。“運賃”については、かつてのようにもう少し国が関与したものを示していただけるのではないか。適正・公正な競争のために、参入規制も厳格化すべきであり、賃金を世間並みにするために企業が適切な利潤を上げていかないならない」と語った。

準中型免許制度の導入に伴う全ト協としての若年ドライバー確保に向けた支援策、安全運行、新技術への対応の必要性にも言及し、「四方八方から知恵を出し、自信と誇りを持てるような魅力ある業界にしていきたい。知恵、アイデア、ノウハウを使って時代に対応し、生産性の向上を図っていかなければならない。新しい時代を踏まえ、さらなる業界の発展、健全な会社運営のきっかけとなる大会にしたい」と締めくくった。

この後、2つの会場に分かれ、「健康起因事故等交通事故防止対策の推進について」(第1分科会)、「労働環境の改善と生産性向上方策について」(第2分科会)の2つのテーマでパネルディスカッションを実施。このうち、第2分科会では、笠原史久氏(NTSロジ)、越野泰弘氏(越野運送)、荒巻哲也氏(柳川合同)がパネリストとして登壇し、長時間労働抑制のための中継輸送やモーダルシフト、人材の多能工化、給与体系の変更などの取り組みが紹介された。

河北新報社の一力雅彦社長が「再生へ 心をひとつ〜震災報道の現場から」をテーマに記念講演を行った後、再び全体会を開催。来賓の国土交通省の奥田哲也自動車局長が挨拶し、「トラック輸送は約6万2000の事業者、180万人の従業者を抱える一大産業。我が国の経済と暮らしを支えるライフラインとしてだけでなく、災害支援物資の輸送でも重要な役割を果たしている。24時間・365日、皆様のご尽力・ご活躍により国民生活・経済が支えられている」と述べた。

ドライバー不足解消と労働環境改善に向けた中央・都道府県の協議会に関し、「地方では昨年度から荷主とトラック事業者が連携して荷待ち時間などを削減するパイロット事業を展開し、生産性向上国民運動推進協議会で安倍総理からじきじきにお褒めの言葉をいただいた事業もある。こうした成果が共有されることで取り組みが広がる」と期待を寄せた。

また、「『働き方改革実行計画』が3月に策定され、トラックドライバーにも一定の猶予期間ののちに時間外労働の上限規制が導入されることを踏まえ、関係省庁連絡会議を立ち上げた。8月の会議では、生産性の向上、長時間労働是正のための環境整備、インセンティブ・抑止力の強化の63の施策をとりまとめた。予算要求も含めしっかり取り組んでいく」と報告した。

「労働条件の改善については、契約の書面化、運賃・料金の適正収受が不可欠で、下請多層構造や取引条件の改善も重要。国交省としては荷待ち時間の義務付けや荷主への働きかけの強化、適正取引推進ガイドラインの見直しを行うとともに、荷主への周知を図って、適正な運賃の確実な収受を向けた検討を深める。併せて、中継輸送、共同輸配送など生産性向上に取り組み、若年層、女性に働きやすい環境づくりを進めるなど、次世代を担うドライバーの確保にも取り組まなければならない」と述べた。

カーゴニュース 10月10日号

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