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物流業界ニュース(物流/運送情報)

国交省/18年度予算 物流生産性革命を推進

 働き方改革で車両導入にも補助 

国土交通省の2018年度の予算がまとまった。一般会計は前年並みの5兆8047億円、東日本大震災復興特別会計は前年度比14%減の4564億円だった。国交省が重点を置いたのは、(1)被災地の復旧・復興、(2)国民の安全・安心の確保、(3)生産性の向上と新需要の創出による成長力の強化、(4)豊かで活力のある地域づくり――の4分野。「生産性向上」分野では、効率的な物流ネットワークの強化に2283億円(前年度比0.5%増)。迅速・円滑で競争力の高い物流ネットワークの実現を図るため、3大都市圏環状道路の整備をはじめ、トラック輸送と空港・港湾の接続(物流モーダルコネクト)の強化、ダブル連結トラックによる省人化などを行う。

また、現場を支える技能人材の確保・育成や働き方改革の推進に35億円(同8%増)。概算要求では42億円要求していたが減額された。物流の生産性向上では、モーダルシフトの連携・協働の促進、国際物流のシームレス化・標準化の推進、トラック輸送における荷主との連携による長時間労働の是正に向けた取り組みの支援などを行う。

「強い物流」構築へ、車両、予約システム導入へ補助

物流審議官部門の予算では、総合物流施策大綱で掲げた「強い物流」を構築し、サプライチェーン全体を効率化するため、大綱で示した「繋がる」「見える」「支える」「備える」「革命的に変化する」の視点を踏まえ、物流生産性向上と物流のグリーン化を重点分野とした。

「繋がる」の視点では、荷主と事業者の連携・協働による物流効率化と低炭素化に力を入れ、鉄道・海運モーダルシフトに一般会計4000万円。鉄道モーダルシフトに向けた輸送能力の高い新型コンテナ貨車の導入支援にエネルギー特別会計(エネ特)の17億6500万円の内数。荷主・事業者間でのデータ受け渡しやユニットロードの標準化のための実態調査やセミナー開催に2100万円の内数。アジアを中心とした国際物流のシームレス化・高付加価値化に向けた調査事業などに同じく2100万円の内数を当てる。

「見える」の視点では効率化による働き方改革実現を見通す。エネ特の17億6500万円により、スワップボディコンテナ車両の導入では一般車両との差額2分の1を補助、バース予約調整システムの導入では経費の2分の1を補助する。宅配ロッカーのオープン化推進や地方でのロッカー設置に向けたガイドライン策定も同予算の内数で補助する。

ダブル連結トラックや貨客混載の取り組みを支援

「支える」の視点からは、道路の機能強化を図り、ダブル連結トラックの導入支援では経費の3分の1の補助をはじめ、旅客鉄道・乗り合いバスとの貨客混載輸送への支援に経費の3分の1、高品質低炭素型鮮度保持コンテナの導入支援には通常の保冷コンテナとの差額の2分の1を補助することとして、エネ特の17億6500万円の内数を当てる。

「備える」の視点からは、地球環境問題に備えるために、エネ特予算65億円から、冷凍冷蔵倉庫への省エネ型自然冷媒を利用した冷凍空調機器の設備導入経費補助を、中小企業で経費の2分の1以下、大企業で3分の1以下で行う。

「革命的に変化する」の視点では、過疎地域でのドローンを利用した荷物配送の早期実用化に向けた検討を環境省とともに推進するため、エネ特の17億6500万円の内数を当てる。また、農林水産物・食品の輸出拡大に向けた取り組みを推進するため、設定温度可変機能を搭載した新型航空保冷コンテナの研究開発に対して一般会計の1億600万円の内数。

トラックの働き方改革推進、優良事例のガイドライン策定

自動車局の予算は、一般会計が20億8200万円、前年度比3%減となった。一方、自動車安全特別会計は、1994〜95年度に財政事情悪化の影響で一般会計へ繰り入れられた繰入金の残額が18年度までに自動車安全特別会計への繰り戻すことが大臣折衝で決定し、23.2億円が繰り戻されることになった。

主な施策の柱として、「安全・安心の確保および環境対策の推進」「働き方改革につながる生産性向上」「被害者救済の充実」の3本を立てた。  安全対策事業では、予算額9億4700万円の内数でドライブレコーダ導入を支援するため、費用の3分の1を補助。健康起因事故防止のためのスクリーニング検査の普及促進のため2000万円を当てる。

働き方改革推進に向けては、トラック運送業と荷主の連携による取り組みでの生産性向上を図るため、物流コンサルタントなど有識者によるコンサルティングを活用した実証実験を行い、必要なノウハウを蓄積し、水平展開を図る。具体的には各運輸局が開催する「トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会」を枠組みとしたパイロット事業の優良事業を、各運輸局と本省がコンサルタントとともに診断・評価や支援を行うことで、優良事例の成果をガイドラインとして取りまとめるもので、予算は1億100万円。

資源エネルギーとの連携による施策としては、車両動態管理システムや予約受付システムを活用したトラック事業者と荷主が連携した取り組みや内航海運の配船・運航計画の最適化など省エネ事業に60.5億円を当て、経費の2分の1から3分の1を補助することとした。

また、環境省との連携施策として、低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業に導入車両と標準的燃費水準車両との差額の2分の1から3分の1の補助を継続(予算額29億6500万円)、大型CNGトラックの導入支援も継続して10億円とした。

また、経済産業省との連携事業として継続して実施しているクラウド型車両動態管理システムの導入費用の2分の1の補助、メモリーカード型の導入に3分の1の補助を継続するほか、自動運転システムを活用したトラック隊列走行やラストマイルでの自動走行の開発・実証と事業環境の整備は予算額35億円とした。

自然冷媒機器導入の2分の1を補助

物流のグリーン化関連では、営業倉庫や公共トラックターミナルへの太陽光発電設備等の導入経費の1/2〜1/3の補助、新型電動フォークリフトの導入にエンジン車との差額の1/3の補助をエネ特の37億円の内数から行う。冷凍冷蔵倉庫への自然冷媒機器の導入に対しては経費の1/2以下の補助をエネ特の63億円の内数から行う。

災害に強い物流システムの構築関連では、熊本地震の教訓を踏まえ、広域連携体制を作るため、自治体と物流事業者団体との保管協定の締結促進や「拠点開設・運営ハンドブック」の改訂の実施などに一般会計の1000万円を当てる。

エネ庁と連携、車両動態管理システム導入促進

自動車局関係の予算をみると、一般会計は前年度比3%減の21億4900万円。自動車安全特別会計を含めると、8%減の546億400万円だった。主要施策として安全確保と環境対策の推進や自動車分野の競争力強化および被害者救済の充実を掲げた。

自動車分野の競争力強化を図るため、生産性向上は主要な施策となっており、関連する予算では、自動車運送・整備事業の生産性向上と人材不足の克服のため9900万円(同9%増)を当てる。その中でトラック輸送における長時間労働抑制と生産性向上への取り組みの予算額は4300万円とした。同取り組みでは「トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会」の枠組みを活用し、各都道府県で発荷主・着荷主と運送事業者が協同してパイロット事業を実施していく。

エネルギー対策特別会計(エネ特)の自動車関連事業では、環境対応車両の導入への支援や車両動態管理システムを活用した省エネ化および高度な自動走行システム実現のための研究開発・実証事業等を行う。輸送効率化を目的とした車両動態管理システムの導入支援は新規事業として40億円を当てる。同システムを活用することで、荷主と運送事業者が連携し、輸送効率の向上を目指す。事業内容として、クラウド型システムは導入費用の1/2、メモリーカード型システムは1/3を補助する。

環境対応車両の導入への支援では、中小トラック運送事業者が最新の低炭素型ディーゼルエンジントラックを導入する際、標準的燃費の車両との差額の1/3〜1/2を補助(エネ特予算29億6500万円)し、大型CNGトラックの導入に対しては差額の1/2を補助する(同10億円)。また、自動走行システムの研究開発・実証事業では、自動運転によるトラック隊列走行などの技術開発や実証実験を行う(同26億円)。

カーゴニュース 1月9日号

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