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物流業界ニュース(物流/運送情報)

レポート JR貨物グループの不動産事業戦略

 経営自立への“推進軸”、グループ総合力発揮へ

JR貨物がグループ力を結集し、不動産事業に本腰を入れ始めた。JR貨物の全社収入1546億円のうち不動産収入は311億円。会社発足30年目の2016年度に鉄道事業の営業損益の黒字化を達成した同社だが、連結経常利益103億円という底固い収益基盤を支えているのは不動産事業にほかならない。安定的に連結経常利益100億円以上を目標とし、経営自立さらには株式上場を実現するための“推進軸”と位置付けられる。今夏には、同社の社運を賭けた大型マルチテナント型物流施設「東京レールゲート」がいよいよ着工。大転換を迎えるJR貨物グループの不動産事業戦略を真貝康一取締役兼常務執行役員事業開発本部長に聞いた。

外部から取得した不動産の賃貸業も検討

「JR貨物グループの企業価値を高めるには、単に貨物鉄道輸送という機能を磨くだけでなく、保管・荷役・集配機能など物流関連機能を拡充し、その上でお客様に総合的な提案ができることが重要。こうした“商品群”の中で貨物鉄道輸送の持つ大量・安定・環境にやさしいといった優位性も打ち出し、相乗効果を狙っていく」と真貝取締役は話す。

相乗効果のキーになるのが物流施設。今期からスタートした「中期経営計画2021」では、マルチテナント型物流施設「東京レールゲート」の完成に合わせ、「総合物流企業グループ」として進化するため、物流施設に関わる全ての業務をJR貨物およびグループ会社で本格的に展開していく方針を打ち出した。

鉄道機能の見直し等により生み出した自社用地を活用した不動産開発にも注力する。立地条件、投資採算を考慮し、物流施設以外にも、オフィスビル、商業施設の開発、マンション・住宅分譲も対象となる。現在、八王子駅直結の26階建て超高層分譲マンション「シティータワー八王子フレシア」(販売戸数204戸)を分譲中。今年秋には一体開発しているイオングループの商業施設もオープンする。

自社用地の有効活用にとどまらず、外部から取得した不動産の賃貸事業も検討している。新規の開発だけでなく、既存施設のテナント満足度向上にも力を入れる。例えば、既存物件をシステマティックに管理し、予防修繕にも積極的に取り組む考え。不動産開発における交渉・調整を加速させるため、人材や組織体制も強化する方針だ。

圧倒的な開発事業用地、鉄道輸送との相乗効果

賃貸用物流施設のマーケットは外資系の物流不動産を専門とするデベロッパーをはじめ国内大手不動産会社、電鉄、生保など異業種も続々と参入している。有望なマーケットという裏付けがある一方、用地取得やリーシングの競争も激化している。こうした中でJR貨物グループの不動産事業の強み、差別化はどこにあるのか。

まず、グループが持つ圧倒的な開発事業用地だ。現在、224haを活用しているが、今後活用可能な用地が31haある。併せて鉄道事業用地の事業転換や用地の高度利用も可能。また、物流拠点としてポテンシャルの高い貨物駅構内、駅近郊に物流施設の立地が可能で、貨物鉄道輸送との相乗効果を全国規模で生み出せる。

発足から30年の間に、保管、荷役作業、配送業務、流通加工など物流関連機能に対するノウハウも相当蓄積されている。現在はまだ限定的かつ小規模だが、全国各地域に地盤を置くグループ会社と一体運営することで、物流関連機能を担うオペレーション体制を全国ネットで構築できるのも不動産会社にはない独自の強みだ。

「東京レールゲート」は不動産事業の大きな転換点に

グループ不動産事業の大きな転換点となるのが、東京貨物ターミナル駅構内に建設する同社初となるマルチテナント型物流施設、「東京レールゲートWEST」(延床面積7万3000平方メートル、20年3月竣工予定)と「東京レールゲートEAST」(16万1000平方メートル、22年8月竣工予定)。

従来からのBTS(ビルド・ツー・スーツ型)の大規模複合施設「エフ・プラザ」に加え、「レールゲート」のブランドで全国の主要都市で大型マルチテナント型物流施設の全国展開を検討。既存物件を撤去後、更地となっている、札幌貨物ターミナル駅構内の土地(5万9000平方メートル)についてもレールゲートブランドでの開発を計画する。

まずは「東京レールゲートWEST」の竣工がグループ一体となった運営の試金石となりそうだ。具体的には、グループ会社のジェイアール貨物不動産開発がビルマネジメントを、日本運輸倉庫がプロパティマネジメントを担う。両社にとって大規模施設を単独で担当するのは初の試みで、ノウハウを蓄積して今後の受託拡大につなげる。

「東京レールゲート」は昨年12月に事務所棟、駐車場棟が竣工し、1月にテナント各社の旧事務所棟からの移転が完了。同月、WTO国際競争入札により施工会社が決定した。プレリーシングの好調を踏まえ、建物を5層から6層に設計変更し、8月に着工予定。テナントニーズによっては冷凍冷蔵仕様も検討する。

「一大消費地である首都圏に立地し、JR貨物駅構内にあり、東京港、羽田空港、主要幹線道路に近接することから、特積み業者、食品・飲料・生活用品の物流事業者、メーカーからの多くの強い引き合いがある」と真貝氏は話す。キーテナントはワンフロア(約8000平方メートル)単位での賃貸を想定し、18年度第1四半期に決定予定。「東京レールゲート」では、貨物駅構内の施設を提供することで、東京発着の貨物鉄道輸送の利用拡大につなげる考えだ。

カーゴニュース 3月27日号

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