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物流業界ニュース(物流/運送情報)

民法改正で「寄託」の概念が変わる?

「要物契約」から「諾成契約」に

民法の一部を改正する法律が昨年6月2日に公布され、2020年の4月1日から施行される。民法第657条の改正では寄託契約を「要物契約」から「諾成契約」とすることが示されており、寄託契約について「貨物の送致の日から効力を生じる」とする標準倉庫寄託約款と矛盾が生じ、混乱も予想される。

倉庫約款との整合性は要せずも、影響は…

改正前は第657条に「寄託は、当事者の一方が相手方のために保管することを約してある物を受け取ることによって、その効力を生ずる」と規定され、倉庫など物を預かる側(受寄者)は寄託物を受け取ることによって成立する、つまり、寄託は「要物契約」であることを定めている。

今回の改正では要物性を見直し、「寄託は、当事者の一方が相手方のためにある物を保管することを約し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生じる」と改められた。これにより民法上、寄託は「諾成契約」となり、受寄者が寄託物を受け取る前に契約が成立することとなる。

標準倉庫寄託約款(倉庫約款)では、寄託者は必要事項を記載した寄託申込書を提出することとし、「要物契約」の考え方に基づき、寄託契約は貨物の送致の日から効力を生じたものとみなす(第8条)。つまり、寄託申込書を提出した段階ではなく、貨物が倉庫に入った時点で契約が成立し、料金が発生する。

民法改正で寄託が「諾成契約化」すると、契約は貨物が倉庫に入っていなくても「寄託申込書の提出」の時点で成立し、料金も発生する――との解釈が成り立つ。約款は民法との整合性を必ずしも要せず、民法より約款、さらには個別契約の方が契約では上位だが、民法改正が倉庫約款にどう影響するか、しないのか注視されている。

寄託の「諾成契約」、様々なトラブルも

寄託が「諾成契約」になると、様々なトラブル、不都合が予想される。例えば、輸入では当初4月1日に入庫予定だった貨物が1ヵ月遅れることはざらにあり、寄託申込書の提出時点で契約が成立しているとなると、当該貨物が来るまで「スペースを空けておかなければならない」など非効率が発生する。

冷蔵倉庫では倉庫内で寄託者の名義変更が頻繁に行われており、冷蔵倉庫寄託約款では、「寄託者または証券所持人の承諾を得ずに、受寄物の入庫当時の保管箇所または保管設備の変更、受寄物の積換、他の貨物との混置その他保管方法の変更をすることができる」(第16条)ことが規定されている。

今回の民法改正では「混合寄託」について、「複数の者が寄託した物の種類および品質が同一である場合には、受寄者は、各寄託者の承諾を得たときに限り、これらを混合して保管することができる」との規律が設けられ、承諾を得て証拠を残したり、あるいは現寄託者と新寄託者の貨物を分けて保管する手間が発生することが考えられる。倉庫関係者によると、寄託が「要物契約」から「諾成契約」になると、実務上の波及効果が大きいという。「民法改正によって、現行の約款を改正しなければならないとなると問題がある。寄託はやはり『要物契約』であることが望ましい。現行の約款をそのまま使えるようにしてほしい」と話す。

カーゴニュース 4月3日号

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