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物流業界ニュース(物流/運送情報)

財務省/通関連/東京通関業会 税関150周年記念で「大学生フォーラム」

貿易・国際物流の将来像を学生とともに展望

財務省、日本通関業連合会(岡藤正策会長)、東京通関業会(曽根好貞会長)は7日、日本貿易会(國分文也会長)の協力を得て、税関発足150周年事業「大学生フォーラム」を東京税関本関で開催した。6校が参加し、FTA(自由貿易協定)の活用や経済安全保障、税関業務のあり方など多岐にわたるテーマでグループ研究の成果を発表。なお、今回のイベントは今年度の税関150周年記念事業のフィナーレとなった。

税関施設や物流施設の見学、交流会も

コロナ禍の長期化やウクライナ情勢が国際的な商流・物流に大きな変化をもたらしている中、現下の課題や将来像について研究活動(グループワーク)を通じ、研究意欲の高揚を図るとともに、財務省職員や他大学の学生との交流により研究内容の共有、学生のネットワーク構築の機会をつくるイベントとして企画されたもの。当日は、愛知大学法学部、中央大学経済学部、津田塾大学総合政策学部、富山高等専門学校国際ビジネス学科、明治大学商学部、早稲田大学商学部から16チームが参加。研究発表に先立ち、午前中には税関施設や物流施設の見学会も行われた。また、財務省関税局若手職員との交流会も行われた。財務省の諏訪園健司関税局長は、「本日の大学生フォーラムでは、国際物流の変化を踏まえ、日本経済を発展させ、日本国民の生活を豊かにする貿易とは何かー―をテーマに掲げ、学生の皆さんとともに国際物流と貿易の未来を考える場として企画した。学校の垣根を越えて交流を深め、有意義で思い出に残るフォーラムにしてほしい」と挨拶した。

FTA、模倣品対策、技術流出防止などで提案

研究発表では、貿易や国際物流のあり方として、国内産業に配慮しながら低関税で途上国からの輸入を促進するフェアトレード、地理的特性を活かした地方港の活用、沖縄ハブの深化を提案。半導体産業の再生に向けた国家戦略として、次世代パワー半導体の生産強化や海外から技術者の呼び戻し、ASEANとの連携を挙げた。貿易手続き関連では、FTAに関して、二国間FTAの乱立による“スパゲッティボール”現象を課題として提起した。原産地規則の厳格化によりFTAの利用率が下がるとの分析も報告。また、顕示比較優位指数が高く、かつ日ASEAN包括的FTAに加盟していないスリランカ、パキスタンとのFTA締結に着目したグループもあった。税関行政では、日本からの不正な輸出を防ぐため、輸出規制の知識を習得する研修に定期的な試験制度を設ける案や、技術流出防止のための虚偽申告AI予測システム導入を提案。模倣品の流入対策として、「購入者層である20代男女への啓蒙」や「製造元・販売元への規制強化」が挙げられた。このほかユニークな研究として、文化的財の輸出と訪日外国人数の関係性、関税を用いた最適な食料自給率、「貿易プラットフォームが輸出の貿易額にプラスの影響を与える」とする回帰分析の結果も発表された。審査の結果、最優秀賞には、模倣品対策にICタグの活用を提案した、明治大学商学部のチーム「一兵団」が選ばれた。チーム「一兵団」のメンバーからは「現在、海外にいる先生にお土産を持って帰れる。研究が進まない時期もあったが、メンバーに支えられ、今日ここで発表できたことがうれしい」とコメント。なお、表彰式の前には、スペシャルゲストとして税関イメージキャラクターの「カスタム君」も登場し、会場を沸かせた。

カーゴニュース3月9日号

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