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物流業界ニュース(物流/運送情報)

国交省、物流改善に向けたセミナー開催

アサヒ飲料とキユーピーが事例紹介

国土交通省は1月28日、「荷主と運送事業者の協力による取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドラインセミナー」をオンライン形式で開催。加工食品、飲料、酒などの輸送品目にスポットを当て、荷主企業の改善事例などを紹介した。 冒頭、国交省自動車局貨物課の日野祥英課長がトラックの取引環境改善と長時間労働の削減に向けた直近の施策を報告。続いて、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)のプログラムディレクター田中従雅氏が「スマート物流サービス」の概要を紹介した。その後、セミナー運営を担当する富士通総研の亀廼井千鶴子氏が国交省策定の物流改善ガイドライン(加工食品、飲料・酒物流編)を紹介した。 セミナーの後半では、アサヒ飲料(本社・東京都墨田区、米女太一社長)とキユーピー(東京都渋谷区、長南収社長)が講演。物流を取り巻く課題解決に向けたそれぞれの取り組み事例を紹介した。 アサヒ飲料はSCM企画部課長補佐の小野澤次郎氏が「異業種共同輸送に未来の物流のカタチ〜もう空気は運ばない!〜」と題して講演した。商品の荷物特性や繁閑の波動が同社とは異なる日清食品(本社・東京都新宿区、安藤徳隆社長)と連携し、低床ウイングトレーラを利用した共同輸送を実施することで積載率向上を実現。関東と九州の両社の拠点間輸送では日本通運(本社・東京都千代田区、齋藤充社長)と連携し、東京港〜博多港のRORO船の往復運航を利用することで実車率を高めた。小野澤氏は「パレットサイズが異なる2社の貨物を最大限積載できるパターンを検討するなどの課題を解決することで実現した」と説明。共同輸送により「トラック台数の20%削減と30%の実車率向上を達成できた。また、積み込み作業を行う日本通運では作業生産性が30%向上した」と成果を報告した。キユーピーは「〜持続可能な加工食品物流に向けて〜簡易な検品レス・納品リードタイム延長に向けた取組み」と題し、同社ロジスティクス本部の前田賢司本部長が講演。待機時間・荷卸し時間の削減に向けて検品の在り方を見直すことに焦点を当て、検品レスへの取り組みを紹介した。「納品リードタイムやASN(事前出荷情報)の活用が課題だった」とし、これまでパレット単位で作成してきたASNを車単位へと変更するとともに、「視認が容易な大口の商品と、カテゴリ分けによって特定しやすくした小ロット品を分けて積み込むことで検品レスを容易に行えるようになった」と説明。加えて、「他社荷物とキユーピーの荷物の納品日を集約することで荷受側の負担を軽減し、物流の効率化に成功した」と実例を挙げた。さらに、トラックの確保が難しい繁忙期では納品期日を1日延長する「翌々日納品」を実施したと報告。「1都9県での常温品配送のみの適用から徐々に段階を踏み、全国3温度帯での実施を可能にした」と説明した。前田氏は「こうした工夫により、一部のセンターにおいて、検品にかかる時間を30分から6分に短縮した。接車待機時間も大幅に削減し、納品エラーをゼロにするなどの成果を挙げた」と報告した。加えて、加工食品物流での納品リードタイム延長に取り組むメーカーへの提言として、「リードタイム延長を前提とした受注締め時間の後ろ倒し」や「リードタイム延長の実施と合わせた、柔軟な緊急対応の許容」などが必要だと指摘した。

カーゴニュース2月3日号

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