1. 【富士物流TOP】
  2. 物流業界ニュース
  3. 2022年2月
  4. 経産省 トラック運送、価格転嫁進まず

物流業界ニュース(物流/運送情報)

経産省 トラック運送、価格転嫁進まず

達成・協議状況は業種別で最下位

経済産業省の調査で、トラック運送は業種別でコスト上昇分の価格転嫁が最も進んでいないことがわかった。直近1年間の原材料費、人件費、エネルギーコストなどのコスト増加が取引価格に適切に反映されているかを調べたもの。自主行動計画/業種別ガイドラインの策定業種16業種のうち、トラック運送は価格転嫁の達成状況、協議状況ともに最下位となっている。過当競争や重層下請け構造によって価格転嫁が困難な状況があらためて浮き彫りになった。  

「協議を申し込まなかった」も5割超

10日にオンラインで行われた「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」で、10月に実施した「価格交渉促進月間フォローアップ調査」の結果として発表された。直近1年間の価格交渉の協議について聞いたところ、業種全体では7〜10割の価格転嫁を実現したとの回答が最も多く、転嫁できなかった事業者は2割程度だった。価格交渉の時期は、9月と3月が多い。転嫁できなかった部分に関する説明の有無では、納得できる説明を受けていない事業者が2割程度存在した。自主行動計画/業種別ガイドラインの策定業種16業種について集計したところ、価格転換の達成状況が相対的に良い業種は、金属、放送コンテンツ、化学、素形材、紙・紙加工。相対的に良くない業種は、トラック運送、印刷、自動車・自動車部品、建設、機械製造など。トラック運送は16位で最低だった。また、価格協議の状況が相対的に良い業種は、電気・情報通信機器、食品製造、建設、金属、情報サービス・ソフトウェアなど。相対的に良くない業種は、トラック運送、印刷、放送コンテンツ、自動車・自動車部品、素形材など。トラック運送は協議状況でも16位と最下位で、値上げ交渉が難航している様子がうかがえる。価格交渉月間アンケート調査および下請Gメンヒアリングの結果によると、トラック運送で直近1年の間に「発注側企業に協議を申し込まなかった」割合は52.9%と5割を超えており、「発注側企業に協議の申し込みを行ったが、応じてもらえなかった」も5.2%存在している。価格転嫁できた割合が「0割(協議に応じてもらえなかった場合、価格に納得していないにもかかわらず協議を申し込まなかった場合含む)」は37.2%と4割弱で最多の回答となっている。「マイナス(コストが上昇したにもかかわらず、逆に減額された場合)」も3.7%あった。

「競合多い」「安値合戦に近い」との声も

下請けGメンヒアリングでは、「安値合戦状態に近く、コスト転嫁の話はできていない」、「競合相手も多いため交渉できる環境ではなく、軽油の値上がりも転嫁できない」、「上位の元請けや下請業者から下ろされる代金は、二次・三次の請負業者がコストの増加分を転嫁できる金額となっていない」などの意見が寄せられている。

カーゴニュース2月24日号

powered by cargo news

富士物流は、物流・倉庫ソリューションの一括アウトソーシング(3PL)を実現します。