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物流業界ニュース(物流/運送情報)

次世代トラック普及へデータ活用を実証

運行、エネルギー管理を一体化

次世代トラックの大量普及時代に向け、情報インフラ整備の動きがでてきた。政府は運輸部門の脱炭素化に向け、トラックなど商用車のEV(電気自動車)、FCV(燃料電池自動車)の車両や運行に関するデータ集め、それらを活用して運行やエネルギー管理に役立てる研究を始める。充電・充てん施設の最適配置のシミュレーションにもつなげる。2050年カーボンニュートラルの目標達成を念頭に、乗用車に比べて遅れている商用車の電動化を促す。  

商用車、8t超は20年代に5000台を先行導入

17日に開催された、経済産業省の産業構造審議会グリーンイノベーションプロジェクト部会産業構造転換分野ワーキンググループで、「『スマートモビリティ社会の構築』研究開発・社会実装計画案」として提起された。50年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略では、商用車について8t以下の小型車では30年までに、新車販売で電動車20〜30%、40年までに電動車と合成燃料等の脱炭素燃料の利用に適した車両で合わせて100%を目指し、車両の導入やインフラ整備の促進などの包括的措置を講じるとされた。8t超の大型車については、商用用途に適する電動車の開発・利用促進に向けた技術実証を進め、20年代に5000台の先行導入を目指す。また、水素や合成燃料等の価格低減に向けた技術開発・普及の進捗も踏まえ、30年までに40年の電動車の普及目標を設定する。

普及時に充電・充てん施設の混雑の可能性も

商用電動車はイニシャルコスト(車両価格)が高く、ランニングコストについても、契約電力量(kW)の増加に伴う基本料金の上昇や、高い水素価格などが課題に挙げられる。加えて、航続距離の短さや積載効率の低下、充電時間の長さといった問題もがあり、商用利用に適した車両が販売されておらず、その結果、充電・充てんインフラの整備が進んでいない。商用電動車が普及すると、運行の合間の限られた時間帯に充電・充てんを行うこととなるため、充電スタンド・水素ステーションの稼働率の低下、一定時間の混雑や、エネルギー供給側のインフラ等への負荷が一定時間帯に集中する可能性があり、事業者における負担になるのみならず、社会全体の非効率化を招くおそれがある。

運行・車両・エネルギー利用のデータを取得し活用

そこで、グリーンイノベーション基金事業として、電動商用車普及時の社会の全体最適化を見据え、運行・車両・エネルギー利用に関するデータを取得し、当該データや地図データなどの外部データも活用して運行管理と一体的にエネルギーマネジメントを行うシステムの構築を検討。望ましいモデルを運輸事業者に提示する。エネルギー利用の最適化のほか、充電・充てんインフラの最適配置に関するシミュレーションも行う。我が国におけるCO2排出量に占める運輸部門の割合は18・6%で、自動車からの排出は16%を占めている。うち約40%を貨物等の商用利用目的の車となっている。温暖化対策に向け、世界的に自動車の電動化の動きが加速しているが、日本は欧州や中国に比べ普及が遅れている。

カーゴニュース3月1日号

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