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物流業界ニュース(物流/運送情報)

国交省/経産省 DX実現へ、荷主・事業者の人材育成を

第2回高度物流人材シンポジウム

 国土交通省と経済産業省は17日、SIPスマート物流サービス管理法人と協同で、「第2回高度物流人材シンポジウム」をオンライン方式で開催した。シンポジウムは2部形式で、第1部は講演、第2部でパネルディスカッションを行った。開会冒頭、国土交通省の寺田吉道公共交通・物流政策審議官は「物流は人材確保の点で危機に直面しており、しっかり対応しないと『物が運べない』という状況も出てくる。昨年6月に策定した総合物流施策大綱の中にも、高度物流人材の育成・確保を不可欠な項目として明記した。高度物流人材は今後、物流企業はもちろん荷主や行政においても重要になる」と意義を強調した。続いて、内閣府科学技術・イノベーション推進事務局の田中従雅プログラムディレクターが挨拶に立ち、SIPスマート物流サービスの概要を説明した。基調講演では、東京大学先端科学技術センター教授の西成活裕氏が物流DXの推進に必要なスキルについて講演。物流の問題予測や現場の最適化≠ノは数学など理系の知識が有用だとして、「現場型の文系人材は数学を、理系人材は合意形成の作り方などの文系的内容を学び、両方を理解した第3の人材≠ノなる必要がある」と持論を展開。物流を学べる大学の存在や社会人リカレント教育が必要だと訴えた。

現場力≠竍バランス能力≠ェ重要

 続いて、日本電気(NEC)交通・物流ソリューション事業部ソリューション推進部長の武藤裕美氏、GROUND社長の宮田啓友氏、セイノー情報サービス取締役の早川典雄氏が講師となり、「My Logistics Career」と題して講演。自身の物流業界におけるこれまでのキャリアと高度物流人材の育成に必要な条件を語った。武藤氏は「どうやって物が届くのかイメージできない人もいる。サプライチェーンの存在を幼少時から教育しておけば、将来的には優秀な物流人材が育つ」と述べた。また、物流DX推進に必要な人材スキルとして「自分の枠にとらわれず、そこから超えた仕事をするマインドを持てること」と語った。宮田氏は、DXの実現には現場を理解して対応できる人材が不可欠と指摘。現場力≠持つ優秀な人材の待遇を向上させるべきと提言。また、即戦力の調達には海外の人材採用も考慮する必要があるとした。早川氏はこれからの物流人材には市場の変化に適応できる経営視点を備えたバランス能力が重用だと指摘。「DXの牽引者を育てる講座をつくる必要がある」と語った。第2部では講演を行った4人に、経済産業省商務・サービスグループ消費・流通政策課長兼物流企画室長の中野剛志氏と国土交通省総合政策局物流政策課長の田公生氏を加え、パネルディスカッションを実施。田氏は物流DX人材の育成には、文部科学省や大学などとの連携によるカリキュラムの構築が必要だと提言。中野氏は「企業は優秀な人材を採ることばかり考えて育てることを考えない。製造担当の人材でもデジタルの勉強をしてもらい、高度な物流を担う人材に育てることも重要」と指摘した。

カーゴニュース3月24日号

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