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物流業界ニュース(物流/運送情報)

NX総研・短観、4〜6月は荷動き増加の見通し

ウクライナ侵攻、荷動き停滞の懸念材料に

NX総合研究所(本社・東京都千代田区、廣島秀敏社長)は4月28日、3月に実施した「企業物流短期動向調査」(NX総研短観)の結果概要を公表した。それによると、国内向け出荷量の動向を示す荷動き指数は、1〜3月実績でプラス3となり、前期(2021年10月〜12月)より9pt低下した。まん延防止等重点措置の実施による経済活動抑制の影響と見られ、措置解除後となる4〜6月の見通しは4pt上昇のプラス7まで高まる見通し。一方で、オンライン説明会に出席した佐藤信洋シニアコンサルタントは、ロシアのウクライナ侵攻の影響によって原油価格の高騰が続いていることに触れ、「輸送費の上昇が物価に影響して個人消費が落ち込み、見通しの数字が下振れする可能性もある」と推測した。業種別の荷動き指数を見ると、1〜3月実績は一般機械、食料品・飲料、窯業・土石、木材・家具、精密機械、パルプ・紙、その他の製造業などの8業種でプラスとなり、生産財卸、繊維・衣服、鉄鋼・非鉄、輸送用機械、科学・プラスチック、金属製品の6業種でマイナスとなった。4〜6月の見通しでは精密機械、輸送用機械、パルプ・紙、窯業・土石、一般機械、鋼鉄・非鉄、その他の製造業など11業種がプラスとなり、繊維・衣服、生産財卸、金属製品がマイナスになると予測。自動車などの輸送用機械は、1〜3月実績でマイナスだったものの、4〜6月見通しでは大きなプラスに転じると見込まれている。その中で佐藤氏は「自動車排ガス触媒に用いられるロシア産のパラジウムや、半導体製造に使われるウクライナ産のレアガスの不足により、自動車の生産が停滞し、荷動きを下押しすることも考えられる」と分析した。

運賃上昇の傾向、今後も強まると予測

「一般トラック、特積みトラック、宅配便、鉄道コンテナ、内航コンテナ・RORO船、国内航空」の輸送機関別の利用動向を見ると、1〜3月実績では一般トラックのみがプラス。4〜6月の見通しでもプラスは一般トラックと特積みトラックの2モードに留まったものの、前期実績からの推移では、4〜6月見通しで5モードが上昇するなど、持ち直しの動きが現れている。「一般トラック、特積みトラック、鉄道コンテナ、内航コンテナ・RORO船、国内航空、倉庫保管量」の6機関の運賃・料金動向では、1〜3月実績と4〜6月見通しのいずれも6機関すべてがプラスとなった。前期実績からの推移では、1〜3月実績は鉄道コンテナを除いて5機関が上昇。4〜6月見通しでは6機関すべてが上昇となる見込み。特に一般トラックと特積みトラックは、1〜3月実績から4〜6月見通しへの動向指数の上昇幅が10pt以上と他機関よりも大きかった。佐藤氏は「燃料価格の高騰の影響もあり、トラック運賃をはじめ、内航海運や営業倉庫で運賃・料金の上昇圧力が強まっている。2024年問題(トラックドライバーの労働時間の上限規制厳格化)への対応もあり、この傾向は引き続き強まっていくだろう」と予測した。また、売上高に対する物流コストの割合は1〜3月実績でプラス28となり前期から4pt上昇。4〜6月見通しはプラス38となり10pt上昇の予測となった。佐藤氏は「運賃上昇の傾向により、荷主の物流コストは上昇傾向にある。しかし、中小のトラック事業者は運賃値上げの要請を荷主に受け入れてもらえないこともあり、運賃に転嫁できないところが多い」と指摘。「政府が石油元売会社に1リットルあたり最大35円支給するガソリン補助金よりも、トリガー条項で軽油代を下げたほうがトラック事業者にメリットがあるのではないか」との見方を示した。

カーゴニュース5月12日号

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