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物流業界ニュース(物流/運送情報)

燃油費高騰でコスト急上昇、円滑な転嫁を

改正法、事業者対策も一定の成果

6月28日に新たに就任した国土交通省の堀内丈太郎自動車局長は7月28日、就任後初の専門紙記者会見を開き、就任の抱負や自動車行政の課題などを語った。人流・物流を担う事業者への支援を最重要課題と位置づけ、トラック運送事業に関しては「燃油費高騰によるコストの急上昇を円滑に転嫁できるよう、他省庁とも連携しながら取り組んでいく」と積極的な姿勢を示した。また、改正貨物自動車運送事業法の事業者対策についても一定の成果を報告した。

コスト増、適切に運賃に反映することが重要

 堀内局長は、「運送事業者が国内の人流と物流を安定的に支えていただいていることに感謝の意を表する」と述べた上で、バス、タクシーはコロナ禍により運送収入が大きく減少し、トラック運送は足元の燃油費高騰により経営環境が悪化しているとし、「厳しい経営環境の事業者を支えることが重要であり、行政として最大限取り組んでいく」と表明。トラックについては、燃料サーチャージの導入や運賃引き上げを念頭に「燃油費高騰で事業者にコスト増がのしかかっており、これを適切に運賃に反映させることができるよう、資源エネルギー庁など関係省庁と連携しながら取り組んでいく」とし、各種施策を通じコスト転嫁の促進を図り、苦しい経営環境にある事業者を支援する意向を示した。

規制の適正化、従来よりも厳しい審査を励行

改正貨物自動車運送事業法の施策の進捗についても見解を示した。改正事業法は(1)荷主対策の強化(2)標準的運賃の告示(3)規制の適正化(4)事業者の遵守すべき事項の明確化−−の4つの施策を柱とし、荷主への働きかけの強化や標準的な運賃については、業界、荷主“共通の関心事”として件数や率という形で進捗が報告されている。一方、業界内部の問題である「欠格期間の延長」「許可の際の基準の明確化」「約款の認可基準の明確化」など規制の適正化の実施状況に関し、堀内局長は、「事業許可や事業計画の変更認可の際に欠格期間の延長や許可の際の基準の明確化など改正法の趣旨に基づき、従来よりも厳しい審査を励行している」と説明。事業者が遵守すべき事項の明確化では、「新設・改正された事項の違反行為について新たに処分量定の新設を行うなど行政処分の基準を見直した。健康保険法などで加入義務のある社会保険への確実な加入を促進している。保険料の納付状況については厚生労働省と連携し、巡回指導や監査を行っている」と述べた。

具体的には、20年度末時点で3588件の巡回指導を実施。監査の際には社会保険料未納付の疑いのあるものは厚労省に119件の照会を行い、そのうち6件について処分したとし、「このように改正事業法に基づいた事業者対策を実施しており、一定の成果があがっていると認識している」と強調した。 このほか自動車行政の取り組みとして、「安全で環境に優しいクルマ社会の実現が大きなテーマとなる」とした上で、電気自動車(EV)など次世代自動車の普及や、地域公共交通の維持に向けた自治体と事業者の連携促進を表明。また、自動車事故被害者の救済対策や交通事故対策に注力する考えを示した。

▼標準的な運賃、届出件数は48%に

国交省自動車局が発表した6月末時点の標準的な運賃に基づく運賃変更の届出は全国で2万7697件となった。国交省公表の一般貨物自動車運送事業者数5万6990者に対し、届出率は48.6%となり前月より0.9pt上昇した。地方ブロックごとの届出率は北海道が56.9%、東北が60.1%、関東が21.3%、北陸信越が57.7%、中部が58.0%、近畿が53.0%、中国が77.7%、四国が82.8%、九州が68.2%、沖縄陸運事務所が34.7%だった。

カーゴニュース8月2日号

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