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物流業界ニュース(物流/運送情報)

NX総研短観荷動きは落ち込みからV字回復≠期待

トラック運賃上昇を予測

NX総合研究所(本社・東京都千代田区、廣島秀敏社長)は7月29日、「企業物流短期動向調査」(NX総研短観、6月実施分)の結果概要を公表した。国内向け荷動き指数は、1〜3月実績のプラス3から4〜6月実績はマイナス8と急落。続く7〜9月見通しは再度プラス3のV字回復≠予想。荷主企業の出荷量復調への期待が顕著にうかがえた。

プラス反転を予想、国際情勢による不透明感も

国内向け出荷量の動向を示す荷動き指数の推移はの通り。4〜6月はウクライナ紛争や中国の対コロナ政策によるロックダウンなどの影響で半導体をはじめとする素材不足が生産停滞の要因となり、貨物量を下押しした。オンライン説明会に出席した佐藤信洋シニアコンサルタントは7〜9月の荷動きについて、回復が予想される一方で「ウクライナ紛争の収束がまったく見えないことや、新型コロナウイルスの(第7波以降の)感染状況などネガティブな要素もあり、7月以降の荷動きには下振れの可能性も含んでいる」と留保した。

国際・国内とも貨物量は若干増加か

業種別の荷動き指数は4〜6月実績(見込み)は、全15業種のうちプラスが精密機械、食料品・飲料、窯業・土石、繊維・衣服の4業種、7〜9月見通しはプラスが精密機械、窯業・土石、その他の製造業、消費財卸、食料品・飲料、パルプ・紙、鉄鋼・非鉄など5業種多い9業種に増加すると予測した。輸送機関の利用動向は4〜6月実績(見込み)は全機関がマイナスだったが、7〜9月見通しは一般トラックがプラスに浮上し、他の5機関はマイナスと予測した。ただ、全機関とも利用動向指数の絶対値は上昇傾向にあり、荷主の多くは7〜9月の貨物量について、若干ながら増加すると予想していることがうかがえる。輸出入貨物量の動向は、4〜6月実績(見込み)は4機関(外貿コンテナ・輸入、外貿コンテナ・輸出、国際航空・輸出、国際航空・輸入)すべてがマイナス、7〜9月見通しは外貿コンテナ・輸入のみプラスに浮上すると予測。動向指数の推移をみると国内と同様、7〜9月見通しは全機関が上昇すると見込んでおり、国際貨物についても物量の増加を予想している。

運賃・料金の高水準は続く傾向

モード別6機関(一般トラック、特積みトラック、鉄道コンテナ、内航コンテナ・RORO船、国内航空、倉庫保管料)の運賃・料金動向指数も発表。4〜6月実績(見込み)は全機関がプラスで、7〜9月見通しも同様。総じて運賃・料金は高い水準が続くとみている。ただ、7〜9月見通しでは、一般トラックと特積みトラックがプラス7、倉庫保管料がプラス1と指数上昇、鉄道コンテナが横ばい、内航コンテナ・RORO船と国内航空はマイナス1と低下すると予測しており、荷主の多くはトラック運賃の上昇圧力が一段と強まると見ているようだ。これに伴い、売上高に対する物流コスト指数の推移をみると4〜6月実績(見込み)のプラス31から7〜9月見通しはプラス36と5pt上昇を予測。荷主は物流コストのさらなる上昇を予想していることがうかがえる。

カーゴニュース8月4日号

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