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物流業界ニュース(物流/運送情報)

国交省・水嶋国土交通審議官会見

国土交通省の水嶋智国土交通審議官は6日、就任後初となる専門紙記者会見を開き、就任の抱負や今後の政策課題について語った。国土交通審議官(国交審)は国土交通事務次官に次ぐ事務系役職のナンバー2。水嶋氏は海事局長、鉄道局長、大臣官房長などの要職を歴任し、昨年1月に鉄道建設・運輸施設整備支援機構の副理事長に出向。同職を約1年半務めた後、今年6月に国交審に就任した。水嶋氏は「これまで幅広い分野で業務を担当した経験を踏まえながら日本経済全体の成長や国民生活の発展に資する政策を進めていく」とし、国交省の当面の大きな政策課題として「地域公共交通の維持や安全確保」「地域社会やそれを支える交通運輸・建設関連事業者の活性化」「経済成長や国民生活の発展を実現するためのインフラ整備」などを挙げ、3人いる国交審の中では主に国際関係業務を担当すると説明した。加えて、前職について触れ、「在職中は新幹線建設に関する業務や同機構の組織改革に取り組んだ。その間、多くの現場の方々と話す中で様々な知見を得た。それを国交省に戻ってからの仕事でも活かしていきたい」と抱負を述べた。

物流関連の政策では「成長する海外マーケットを見すえながら、わが国の物流事業者の国際展開を促進することが重要な政策テーマとなる」とした。国内物流について貨物鉄道の役割について言及。7月28日に公表した今後の鉄道物流の在り方に関する中間とりまとめの中で「貨物鉄道自体の強靭化をはじめ、JR貨物を中心とした他の物流事業者や荷主など幅広い関係者の連携や、貨物鉄道に対する荷主や社会の意識改革を今後の課題とした」と説明。今後のJR貨物のなすべきこととして「経営自立化のための鉄道部門の収支改善や輸送量・輸送機関別分担率の拡大に取り組む必要がある。指標となるKPIを設定し、JR貨物と国がいっしょになって達成状況を確認しながら、社会課題の解決に貢献する公的輸送手段である貨物鉄道への期待に応えていく」とした。新幹線の並行在来線のあり方に関連した貨物鉄道のネットワーク維持については「現在は貨物調整助成金制度などによる貨物鉄道支援が行われており、第三セクターでは負担できないコストを実質的に国が肩代わりしている。旅客鉄道の存廃の議論とともに、わが国の物流を支えるインフラである貨物鉄道の路線維持についてしっかりと議論していく」と述べた。

水嶋智(みずしま・さとる)1963年生まれ。京都府出身。東京大学法学部卒。86年運輸省入省。海事局長、鉄道局長、大臣官房長を経て21年1月鉄道建設・運輸施設整備支援機構副理事長、22年6月国土交通審議官就任。健康維持のため週末はプールで1キロ泳ぐ。仏教の言葉にある「水火の中間にひとつの百道あり」を仕事のモットーとする。「際限のない火の河と深い水の河に、わずかな幅の白い道を見出すことができる。行政の行う施策も同様で、万人が満足できるわけではないが、わずかにでも不利益を被る方がいれば、その痛みを思いながら仕事を進めていくことが大事だという思いがある」と語る。

カーゴニュース9月19日号

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