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物流業界ニュース(物流/運送情報)

厚労省/改善基準告示会議 3業界そろって改正案まとまる 24年4月施行が正式決定

24年4月施行が正式決定

厚生労働省は9月27日労働政策審議会労働条件分科会の下に設置された自動車運転者労働時間等専門委員会の第9回会合を開き、トラック、バス、ハイヤー・タクシーの改善基準告示改正案を取りまとめた。3業界の改正案が揃ったことを受け、10月に労働条件分科会を開催する。そこでの承認を経た後、12月に改正・公布する。その後、周知期間を経て、2024年4月に施行する。週40時間労働制への移行に伴った1997年の改正以来、27年ぶりの大幅な改正となる。改正の主要ポイントはの通り。改正案が正式にまとまったことを受け、労働者側・使用者側の委員が発言。労働者側の世永正伸委員(運輸労連中央副執行委員長)は「24年4月からドライバーの時間外労働上限規制(960時間)が適用されるが、これはあくまで一般則(720時間)適用に向けた第一歩だ。改正改善基準告示の施行後3年には、働き方改革関連法の国会付帯決議の趣旨に基づき検討を行い、一般則適用に向けたロードマップを提示することが必要だ。適用後3年をメドに実態調査を行うことが示されたが、トラック運送の特性をみながら3年を待たずに実施すべき」と強調した。貫正和委員(交通労連トラック部会事務局長)は「連続運転の中断の意義は原則として休憩であることを明記していただいたことに感謝する」と述べた上で「新たな改善基準の適用がしっかりとなされるよう、厚労省の監督・指導の強化をお願いする」と注文を付けた。

経産省は「不名誉なこと」と受け止め

改善要請を受けた荷主はトラック事業者に長時間の荷待ちをさせていた。この情報が寄せられた後、国交省は裏付け調査を実施。当該荷主を所管する経産省と情報を共有した上で、長時間の荷待ちを改善するよう、まずは「働きかけ」を行った。当該荷主は改善の意思を表明し、報告書を国交省に提出したものの、実際は改善がなされていないとの情報提供があった。国交省が再調査したところ、情報の通り荷主は改善に取り組んでいないことが判明した。荷主の所管省庁である経産省関係者は「関係省庁が連携しながらトラックドライバーの長時間労働削減に取り組んでいる中で『要請』を受けた荷主が出たことは不名誉だ」と受け止めている。2019年7月に改正事業法の荷主対策制度が施行されて以降、経産省は国交省とともに荷主団体に向けて周知を行っていた。施行から3年が経過し、経産省が所管する荷主から「要請」第1号が出たことに少なからずショック≠受けているようだ。

商慣習の改善へ行政の取り組みに期待

使用者側の馬渡雅敏委員(全日本トラック協会副会長)はドライバーの長時間労働には発着荷主の指示によるところが大きいことを改めて強調した上で「労働基準監督署が荷主に改善を働きかける制度を創設したことに感謝する。早急に商慣習が改善されるよう厚労省と国土交通省の取り組みに期待する。業界としてもドライバーの健康と安全を確保し、過重労働を防止すべく一丸となって取り組む」と決意を披露。また、「改正改善基準告示は利用運送事業者や荷主の自家用車(白ナンバー)にも適用されることが明記された。この点について広く周知を徹底していただきたい」と要望した。加藤憲治委員(日本通運取締役執行役員)は適用3年後をメドに実施する実態調査について「改正改善基準の適用後に荷主の行動にはどのような変容があったのかを把握することが重要だ」と指摘。また、「いま業界にいる従事者(ドライバー)の健康を守ることに加え、今後新しく我々の仲間となる従事者のためにも魅力的な職場づくりに努力していく」と意欲を述べた。

カーゴニュース10月4日号

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