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物流業界ニュース(物流/運送情報)

国交省・丹羽道路局長会見 道路整備を通じて物流円滑化を

重要物流道路の指定は継続実施

国土交通省の丹羽克彦道路局長は7日、初となる専門紙記者会見を開催し、道路局長としての抱負や、道路行政の直面する課題について語った。丹羽氏は今年6月に道路局長に就任。前職は四国地方整備局長として河川、道路、港湾、空港などインフラ分野で先進技術を活用した整備事業に携わった。前々職では本省道路局企画課長として広域道路ネットワークの整備を推進し、重要物流道路の拡充に取り組んでいる。丹羽氏は「コロナ禍においても物流は止まらなかった。物流は国民生活や経済活動を支える必要不可欠のものであることが改めて認識された。その物流をさらにスムーズなものとするために、2018年の道路法改正により物流のさらなる円滑化を図るため重要な道路を指定し、機能強化を行う制度として重要物流道路制度が創設された」と説明。今年4月時点の重要物流道路の指定状況は、高規格道路を対象として候補路線が380路線、計画区間が88区間。すべての道路を対象とした事業区間は約2900キロメートル、供用区間約3万6000キロメートルとなっている。丹羽氏は「ドライバー不足などの課題に対し、トラックの大型化への対応など生産性の向上が急務となっている。今後も継続的に重要物流道路の指定を行い、整備を推進する」と語った。

ダブル連結車の走行区間を2・5倍に延長

トラックの大型化に関連して、ダブル連結トラックの普及促進について言及。「現在、ダブル連結トラックが走行可能な区間は全体で約2050キロメートルだが、今年秋頃をメドに2.5倍の約5140キロメートルにまで拡充する」とした。また、ドライバーの長時間労働を削減する有効な方策として中継輸送の普及が重要だと強調。今後の普及を加速するため、拠点の整備や道の駅を利用した実証実験による効果検証を行うとした。加えて、SA・PAでのトラック駐車マスの拡充や普通車・大型車双方が利用できる兼用マスの導入を図る。物流効率化を後押しする制度的な取り組みでは、今年4月からデジタル化技術を用いた車両確認システムを活用した特殊車両通行許可・確認制度の運用が開始されたと報告。「システムの導入以前には申請から許可まで約22日を要するケースもあった。電子データ化された道路について国が一元的に処理することで車両情報などを登録済みのトラックはシステムを通じて即時に通行可能な経路がわかり、回答を受けた経路を通行可能となった」と効果を強調し、「今年度はシステム立ち上げの後、一部で混乱が生じたが、年度末までに集中的に見直しを行い、来年度からはトラブルなしで利用できるようになる」と述べた。

「見て、考えて、聞く力≠ェ大切」

これまで仕事を進める上で、目の前の課題に対し「様々な角度から多面的かつ長期的な視点から見ることと、その上で根本的な問題は何かを常に考えること」を重視してきた。道路局長として、さらに「聞く力≠大切にしていきたい」とし、多くの関係者から話を聞くことでニーズに対応した施策を推進していく考えだ。丹羽氏は「道路は世の中の人が幸せになるためのツールであり、使いやすいことが大事だ。ひとつの道路ができることでその地域に変化が生じることからも明らかだが、道路行政を通じて社会の発展に貢献していく」と抱負を語った。

丹羽克彦(にわ・かつひこ)1964年6月生まれ。58歳。東京都出身。90年早稲田大学大学院理工学研究科修了。同年建設省入省。道路局企画課道路事業分析評価室長、関東地方整備局道路部長、総合政策局公共事業企画調整課長、道路局企画課長、四国地方整備局長などを経て2022年6月道路局長就任。趣味は健康維持も兼ねて自転車に乗ること。

カーゴニュース10月13日号

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