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物流業界ニュース(物流/運送情報)

国交省・経産省・農水省 着荷主に法令による規制的措置検討

インセンティブとの両面で荷主対策に本腰

国土交通省、経済産業省、農林水産省は13日、第4回「持続可能な物流の実現に向けた検討会」を開催し、トラック物流の改善策を提言する中間報告の骨子案を提示した。物流改善には荷主の意識改革が必要だと明記し、発着荷主が物流改善に協力しやすくするインセンティブを設ける方向。また、着荷主の協力が改善には不可欠だと指摘。主に着荷主に対し、法令による規制的措置を検討するとした。従来、行政による着荷主対策が進んでいなかったとの反省を踏まえ、着荷主対策≠本格化するもので、中間報告案は次回1月に開催する会議で決定する。

「自覚がない着荷主」を動かす対策が必要

中間報告の骨子案はトラック物流の課題として、(1)非効率な商慣習の改善(2)発荷主・事業者間と元請・下請間での取引適正化(3)着荷主の協力の重要性――などを指摘。サプライチェーンの力関係では川下の小売が強く、「川下のプレイヤーによる物流全体の生産性向上の取り組みが重要であり、自覚がない着荷主を動かすための対策が必要」とした。事業者の長時間待機や無償の荷役・附帯作業が着荷主側で発生している場合が多いが、着荷主・事業者間には契約関係はなく、着荷主に物流改善を義務付ける法律が存在しない。荷主を規制する法律には省エネ法があり、初荷主や事業者に計画策定や報告・指導を義務化しているが、準荷主(着荷主など)は努力義務のみとなっている現状がある。これに対し、検討会では荷主による改善の取り組みを後押しすることが重要と認識。荷主と事業者が各種の物流改善ガイドラインを活用し、具体的な取り組みに着手するようインセンティブを設ける。また、主に着荷主に対しては、法令で規制的措置を施すなど実効性のある対策を打ち出す考え。一方、事業者については、業界の多重下請構造により実運送が適正な運賃を収受できていない状況にあるとし、取引環境の適正化や事業者の生産性向上を促進する方策を提示する。

改善には荷主、消費者の協力が不可欠との声も

そのほか会議では荷主と事業者から持続可能な物流に取り組む事例をヒアリングした。アスクルは「急がなくてもよい配達サービス」にポイントを付与することで利用件数を増やし、物流波動を平準化する取り組みを説明。スーパーを中核に製造小売業を展開するバローホールディングスは、リードタイム延長やトラック予約受付システム導入、「3分の1ルール」の見直しなどドライバー時短への取り組みを報告した。佐川急便はセキュリティの厳格なタワーマンションでは荷物1個につき30分以上の配達時間を要する場合があるとし、省力化の課題を提示。ヤマト運輸は2024年4月以降の労働規制に対応するため、荷主や消費者の理解と協力のもと官民一体での取り組みが必要と指摘した。

カーゴニュース12月22日号

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