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物流業界ニュース(物流/運送情報)

国交省23年度予算 大幅拡充で「2024年問題」に対応

電気トラック普及で脱炭素化促進

国土交通省の2023年度予算がまとまった。一般会計の総額は5兆8714億円で前年度並み、東日本大震災復興特別会計は401億円(前年度比1.06倍)、財政投融資2兆3275億円(1.40倍)となった。これに22年度2次補正予算1兆9015億円を合わせ、年度の継ぎ目のない事業を実施する。物流部門の予算額は前年度よりも大幅な拡充となった。また、自動車部門ではトラック運送の働き方改革を継続して推進するほか、電気トラックの普及事業にも注力する。

生産性向上や物流GX・DXの推進を加速

物流部門の国交省単独の予算は、2次補正と合わせると15億9200万円となり前年度の2億400万円(補正予算含む)の7.8倍と大幅な拡充となった。その背景として、2024年4月からトラックドライバーの時間外労働規制が厳格化されることによる輸送力不足への懸念(「2024年問題」)がある。経済産業省や環境省とも連携しながら物流危機≠フ克服に向けて取り組みを強化する。「物流生産性向上」は8200万円と2次補正14億5500万円を合わせると15億3700万円となり、前年度の6900万円の22倍に拡充。「災害に強い物流システムの構築」は23年度予算2500万円と2次補正1500万円を合わせると4000万円となり、前年度の1100万円の3・6倍となった。また2次補正として「物流GX・物流DX、標準化の推進や災害対策の実施」に14億7000万円が計上され、国の物流政策の指針を示す総合物流施策大綱が重点課題とする物流生産性向上や物流DXの実現、標準化の推進などに大きなリソースが振り分けられた。

自動車のグリーン化が重点課題

自動車部門では電気自動車の普及をはじめ、脱炭素化(グリーン化)が最大の課題。貨物輸送では電気トラックの普及を中軸に、天然ガストラック、低炭素ディーゼル車の普及を後押しするため、2次補正の20億5000万円を計上。CO2排出量削減の取り組みでは荷主と運送事業者の連携や中継輸送を推進。予算は2次補正の7000万円をあてる。トラック運送業の働き方改革推進では予算8700万円を計上。継続して実施しているトラックドライバーの労働環境改善では、AI・IoTを活用した物流DXの推進を支援することで輸送効率の向上やドライバー時短に取り組む。また、改正貨物自動車運送事業法に基づく標準的な運賃の活用促進や荷主対策を推進することで運賃引き上げや長時間労働の削減などを図る。とくにドライバーの待機時間を抑制するために荷主の理解と協力を得ることが不可欠との観点から、「ホワイト物流」推進運動による荷主や最終消費者である国民に向けた啓発活動を推進する。貨物鉄道分野では自然災害発生時への対策とカーボンニュートラル実現に向けた取り組みが主な課題。自然災害の発生時に安定的に代行輸送を実施するため、拠点となる駅の機能強化を図る取り組みに2次補正の4億1700万円の内数。カーボンニュートラルに向けて貨物鉄道輸送の取扱量の拡大を図るため調査事業を実施する。調査事項は、(1)国際海上コンテナの鉄道輸送拡大(2)貨物鉄道におけるCO2排出量算定の精度向上(3)新幹線による貨物輸送の拡大――など。

カーゴニュース1月3日号

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