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物流業界ニュース(物流/運送情報)

中小企業庁 トラック運送、価格交渉ワースト業種に

転嫁状況、据え置きなど「0割」が3割

トラック運送の価格転嫁の遅れが際立ってきた。中小企業庁はこのほど、2022年9月の価格交渉促進月間フォローアップ調査の結果を公表。業種別で「トラック運送」は、発注者側で価格交渉、価格転嫁に応じている業種で最下位となったほか、受注者側でも価格転嫁に応じてもらえた業種でもワーストだった。価格転嫁状況では「0割」が3割を超え、転嫁が進んでいない状況が浮き彫りとなった。

13%が発注減や取引中止恐れ申し入れせず

エネルギー価格や原材料費などが上昇する中、中小企業が適切に価格転嫁をしやすい環境を作るため、21年9月から、毎年9月と3月を「価格交渉促進月間」と設定。この「月間」に価格交渉・価格転嫁を呼びかけるため、広報や講習会、業界団体を通じた価格転嫁の要請等を実施。成果を確認するため、各「月間」の終了後、アンケート調査、下請Gメンによるヒアリングを実施し、これらの成果を取りまとめた。トラック運送の直近6ヵ月間の価格交渉の状況を聞いたところ、「コスト上昇分を取引価格に反映するために発注側企業に協議を申し入れ、話し合いに応じてもらえた、もしくはコスト上昇分を取引価格に反映させるために発注側企業から協議の申し入れがあった」割合は45.5%だった。「コストが上昇していないため、協議を申し入れなかった」は6.8%、「コストは上昇しているが自社で吸収可能と判断し、協議を申し入れなかった」は16.8%、「発注量の減少や取引中止を恐れ、協議を申し入れなかった」は13.1%、「発注企業に協議を申し入れたが、応じてもらえなかった」は16.8%だった。「取引価格を減額するために、発注側企業から協議の申し入れがあった、もしくは協議の余地なく一方的に取引価格を減額された」も1%あった。

価格交渉、相手にされず無回答のケースも

直近6ヵ月間の価格転嫁の状況をみると、転嫁率は20%だった。転嫁状況は「10割」が8.6%、「9割、8割、7割」および「6割、5割、4割」がそれぞれ6.5%だった。「3割、2割、1割」は24.6%。「0割(費用が上昇している中、価格が据え置かれている場合等)」は33.8%、「マイナス(費用が上昇したにもかかわらず、逆に減額された場合等)」は8.6%だった。下請Gメンのヒアリングによると「22年9月に価格改定要請を行い、燃料費および労務費ともに改定された」、「初夏に取引先よりガソリン代の値上がり分について認めるという申し出があった。残業代についても、口頭での申し入れにより10%程度の値上げを認めてくれた」、「22年秋に燃料費をはじめとしたコスト上昇分の値上げ要請を行い、現在は取引先からの回答を待っている。ある程度は認めてもらえる見通し」といった回答もあった。一方で、「3年前より運賃が上がっていないこともあり、夏にガソリン代、労務費の値上げを口頭により求めたが、一切相手にしてくれず、何%アップという話までいかない。取引先からの残業代は、時間単価で最低賃金を下回っており、不足分は自社が負担している。荷主からの運賃が厳しいため自社への付帯業務料や料金を削減しようとする。運賃を下げられることもある」という回答や、説明を求めても回答が得られないケースも報告された。

カーゴニュース1月12日号

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