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物流業界ニュース(物流/運送情報)

国交省 「視野障害」事故への対策を周知

健康起因事故防止セミナー開催

 国土交通省は21日、トラック、バス、ハイヤー・タクシーの経営者や労務担当者を対象とした「プロドライバーの健康管理・労務管理の向上による事故防止セミナー」をオンライン方式で開催した。健康起因事故の防止に向けた行政の取り組みや、近年注目されている視野障害による交通事故発生状況などを医学的見地から報告。また、事業者による事故防止事例を紹介した。開会冒頭、挨拶に立った国交省自動車局の谷合隆課長は「事業者の方々の努力により死傷事故件数は概ね減少傾向にある一方、健康障害に起因する事故は依然として発生している」と指摘し、健康起因事故防止ガイドラインを活用し、ドライバーの健康管理の徹底を図るよう要請。講演では大原記念労働科学研究所の酒井一博氏が、睡眠不足による過労運転が事故発生の主な要因だと実例を挙げて説明し、適切な運行管理や働き方の見直しが不可欠だと指摘した。

眼科検診での早期発見が視野障害事故を防止

続いて、たじみ岩瀬眼科院長で名古屋大学客員教授の岩瀬愛子氏が講演した。緑内障による視覚障害が交通事故の原因となった事例や防止対策について詳細に説明。早期に緑内障を発見することが疾病の進行をとどめ、事故防止につながることを踏まえ、ドライバーの眼科検診受診を増やすよう事業者が取り組むことが重要だと提言した。その後、日立物流と中日臨海バスが事故防止の優良事例を発表。日立物流は同社が開発した安全運航管理ソリューション「SSCV−SAFETY」の機能と同ソリューションを活用した事故防止の取り組みを紹介した。「SSCV」は最新のデジタル技術を利用してドライバーと運行管理者を支援する機能を備え、デジタルトランスフォーメーション(DX)を事故防止に活用した優良事例として注目を集めるソリューション。通常の点呼では見つけにくいドライバーの体調変化や疲労を測定するほか、走行状況やドライバーの疲労状態を検知し、危険運転や危険状態をリアルタイムでドライバーにアナウンスする機能がある。管理者もPCを通じてドライバーの状態を把握し、運行管理に活用でき、その日の運行状況をドライバーと共有し、改善につなげることができる。中日臨海バスは社内に健康管理の専門部署を設け、情報発信や健康状態の可視化を通じたドライバー自身の健康意識の向上や健康管理のフォローアップなどの取り組みを報告した。

カーゴニュース3月1日号

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